リリックの中にダブルミーニングで数字を巧みに潜めてる曲をまとめました。
<ダブルミーニングとは>
1つの言葉で2つ以上の解釈ができるもの。
PSG / I Dub you
名盤 PSGの『David』のPUNPEEバースより
一途なあなたのニーズ(2)がなくなって
いきなり私は三途の川
キングギドラ / 大掃除
キングギドラの1stアルバム「空からの力」収録の「大掃除」
K DUB SHINEのヴァースは1~10、100、1,000、10,000と数字をカウントアップする巧みなリリックです。
「自由」や「中」は発音によっては「10」として捉えられますが「死亡数10」ときっちり10を入れるあたりに、こだわりを感じます。
連れてかれた 位置(1) に(2) 三(3) 途の川
誰も 死(4) 後(5) ろく(6) な名(7) 前とかもらわず
影の過激派(8) 地球(9) 自由におびやかし中 死亡数 10
まさかの技にキャプテン翼もイラつく 百点のうまさ
言葉の化学を駆使したMC
地上に降りた最後の 戦(1,000) 士
遺伝子が繊細 遺伝した天才
自然の変化 軽く盗る天下
余は 満(10,000) 足じゃ
百万(1,000,000) 石の貫禄 誇る弾力性 (Yeah)
Creepy Nuts / 板の上の魔物
1Verse ”呑まれちゃ一巻の終わり” から始まり、一巻~十巻がダブルミーニングで隠されてますね。
この曲はドラマ「べしゃり暮らし」OPテーマとして書き下ろしたもので、原作が漫画であることに掛けてると思われます。
呑まれちゃ一巻の終わり
時間(二巻)はもう迫ってる
参観日(三巻)のガキのごとく
妙な気分で待ってる
何か起こりそうな予感(四巻)
研ぎ澄ませテメェの五感(五巻)
無冠(六巻)の帝王じゃ終われへん
成し遂げてから死ななアカン(七巻)
やたらヤバめ発汗作用(八巻)
ナイトフライト夜間飛行(八巻)
ブッ倒れて急患(九巻)で運ばれるほど
振り絞ってこそ得られる生きてる実感(十巻)
Creepy Nuts / 数え唄
「数え唄」は音源化されておらず、LIVEのオープニングでよく歌われる曲で、1つから10までダブルミーニングを使いカウントアップしています。
単に1~10ではなく1つ、2つ、3つ と数えるあたりが卓越してます。
一つ、人見知りの俺ら
でも一度ステージ上がりゃ人が変わる
・
・
二つ、札付きの悪じゃないが
臭いもんにした蓋こじ開ける
・
・
でも見つ(3つ)め合うだけじゃつまらん
俺ミーツ こいつミーツ
お前ら三つ巴の対戦いざ開幕
三つ数えれば蜜月の関係
・
・
腰痛(4つ)になる程腰にくるビーツ
よう捕まっとかな飛ばされる・・・
・
・
とか言いつつ(5つ)
たまにゃパッチギ!
かます井筒 治まらない頭痛
・
・
難(6つ)しい事はいわへん
でもオツムフル回転で付いて来い!
・
・
な、何つー(7つ)かまるで真夏
春も冬も飽き(秋)の来ないこのステージ
・
・
やっつ(8つ)け仕事じゃないこのプレイ
奴の手にかかりゃフェイクDJは八つ裂き
・
・
ココの通(9つ)もアソコの通も唸らせる
玄人泣かせのテクニック
・
・
とう(10)にハマっちまった奴ら
また遠くの方で腕組んだヤツらも
Creepy Nuts / よふかしのうた
「よふかしのうた」では数字のカウントダウンが隠されています。
オトン(10)のタバコく(9)すね火を付けた
や(8)っちゃいけないが溢れて
知っち(7)ゃいけないに塗れてる
む(6)かえに来る闇に紛れて
お前はいつ(5)も気まぐれでよ(4)ふかしのうた
照らしてってmoonlight
MU-TON / Dreamin’
MU-TONの1stアルバム「RIPCREAM」に収録されているこの曲
フリースタイルのイメージが強かったMU-TONが、練られたテクニカルなリリックを書くことを証明したものです。
嫌な事7つにいいこと1つ
足したら8つ乗り越える9.10(苦渋)
天(10)まで飛ばしてHow do you do
KREVA / 挑め Remix feat.MCU&LITTLE
『挑め』のリリックは”三”という数字を使わずに三”を連想させる言葉遊びが散りばめられています。
“何度目も正直” [3度目の正直]
“何度目も許す 仏の顔じゃないが” [仏の顔も三度まで] など。
その中でLITTLEのバースは”三”を使わずにダブルミーニングで数字をカウントアップしています。
位置(1,2)について四の五の録音(6)
なあなあ(7)、やっつけ(8つ)じゃない究極(9)を
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不自由こそ自由だって知る『梅田ナイトフィーバー’19』
▼数字がタイトルの日本語ラップを集め、数字の意味を考察しています。
▼その他にも様々なテーマで名曲をまとめています。
KREVAのアルバム「嘘と煩悩」は気づいたときヤラれたと思いました!粋なセルフタイトル…
確かにセルフタイトルの部類に入りますね。オシャレ!!
『嘘と煩悩』については関連記事にある「【日本語ラップ】数字を使った巧みなリリック」という記事で書いているので是非!!