【韻考察】GADORO『ラッパーなのに』

新たにレーベル『Four Mud Arrows』を立ち上げたGADOROの最新アルバム『リスタート』に収録。

この曲では、懺悔から始まり徐々に自分の中で答えを見い出すストーリーが描かれています。

この記事ではGADORO『ラッパーなのに』の韻を考察します。


好きでもない女を抱いた
当たり 障り ない言葉も吐いた
現実を逃避し、呑んだよ毎晩
俺が良い人ってとんだ誤解さ
まだ登り切っていないのに下り坂
訪れる夜より暗い朝
恨みや 悔しさや 虚しさが
不確かな 明日への歌に変わ
笑われてから、強くなるなら
俺はもう超人なはずなのにな
綺麗事に指立てながら
綺麗事に振り回されたラッパー
触覚を失いに籠り
ばあちゃんとは違うカタツムリ
止まない雨はないとかではない
今降ってるこの雨が耐えられない

ラッパーなのにをついて
恥をかくことさえも恐れて
矛盾した自分の言葉に埋もれてまた平然を装って
頑張ったフリ手を抜い
自分のかさにさえ目を背け
分からない奴に分からす必要はねえと逃げ道を探ってた

器用な奴から順に残った
自分自身への無事を祈った
空気も読んだ 自分にも酔った
実は気にしてた周囲の評判
俺の辞書には不可能だらけ
僅かな可能の瞬間を探して
不安の中で
日々無茶を重ねながら歌を奏でる
面倒はごめんね栄光など無いって
平凡な少年が浴びたゲームオーバーの洗礼
見えるはずの明日が見えなくて
1人違うことが怖くて言えなくて
後ろ指刺されてしまうのはお前が前にいるからだろ
失敗は回り道さ行き止まりじゃねえ
歌う君の街まで

ラッパーなのにをついて
恥をかくことさえも恐れて
矛盾した自分の言葉に埋もれてまた平然を装って
頑張ったフリ手を抜い
自分のかさにさえ目を背け
分からない奴に分からす必要はねえと逃げ道を探ってた

本当の俺 なんて元々弱え
けど本業のコレなら堂々と吠え
も仏ほっとけ
唯一信じてるこの 喉仏
躓くたび が自分探し
れもなくお前はそこにいるじゃないか
どのを選ぶかより選んだのりをどう生きよう

o o o o e 」という文節の韻が続き、「喉仏」の単語で締めているのがとても綺麗です。

例え売人も 廃人も
生きてるだけで人生の皆勤賞
あるはずだろお前にしかないhip hop
行き詰まりは展開の第一歩
不安不満でがんじがらめ
でも砂掴んで立ち上がれ
嵐が過ぎるのを待つんじゃねえ
大雨の中で踊り狂え

不安不満でがんじがらめ” “砂掴んで立ち上がれ” と10音の長い韻です。

この韻がジャケットになってます。

ラッパーなのにをついて
恥をかくことさえも恐れて
矛盾した自分の言葉に埋もれてまた平然を装って
頑張ったフリ手を抜い
自分のかさにさえ目を背け
分からない奴に分からす必要はねえと逃げ道を探ってた

ここまで来た、ここまで生きた
ここまで来た、ここまで生きた
大空を仰ぐ鳥を見つめる時
その背景見落としてた
俺は気付いたんだ亀ではない
もう一つ気付くウサギでもない
そびえる困難も前のめり
ばあちゃんと同じカタツムリ

ラッパーだったらけ出して
都合の良いリアルだけは歌わねえ
自分の愚かすらも吐き出せたんなら
それがリアルになるのさ
散々な日々を生き抜いて
負けた時にこそ胸を張って
分からない奴に分からせて行くまで今日も前に逃げるのさ

まとめ

「カタツムリ」「道」「雨」この単語が曲の前半ではネガティブに使われていました。

しかし、曲に後半は自分の中で答えを見い出し、同じ単語がポジティブに使われています。

この対比になっているストーリーと韻が秀逸な曲『ラッパーなのに』でした。

▼「韻」考察カテゴリーへ移動

「韻」解説 記事一覧

1 COMMENT

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です