志人はリリシズムの中で韻をどれだけ踏んでいるのか|結-YUI- の韻考察

志人といえば、リリシストとして注目されがちだが、踏んでる韻の量も半端ないのです。

この記事ではあえて 志人の「韻」のみに注目したいと思います。

曲はDJ KRUSHのアルバム『軌跡』に収録されている『結-YUI- feat. 志人』で見ていくことにします。


 

[ 結-YUI- feat. 志人 / DJ KRUSH / DJ KRUSH ]

 

荒くた バラック がらくた
草臥(くた)れた文明の瘡蓋を剥がすと
砂漠化した奈落甘酸っぱい空気が漏れる
真夏に降る雪
早口で捲し立てるアナウンサーがアジる
殺人事件でいつもの朝が始(はじ)ま
火山活動活発化した浅間山(あさまやま)バラス
バランスを失う軸のずれた大陸プレート
バラ線に絡ま自衛隊のベレー
ガラりのり窓(ど)
ディスプレイ無抵
コスプレ警官が仰ぐ
モスグレイの空にオスプレイボール

ゴミの山野中でスプレー缶の爆発音が聞こえる
まぶた裏(ら)にはサブリミナルサブカルが乱する
サブマシンガンを握らされた少年兵は入れ知恵され
血で血を洗う見せしめ生け贄パルチザンになるしか
アルジャジーラには映らぬ 百聞は一見にしかず
まずはいいか
狭い見地から抜け出して外に出るんだ
マスターキーは核兵器(かくへいき)の逆螺子
love fights back
和平をrapしてみな
マスメディアこそが爆撃犯(ばくげきはん)

『人類よ 何故にお前は独り離れゆくのだ
弛みなく歩み寄る生態系の献身を観ず
来し方行く末の道端で
生き別れ 引き裂かれ我ノ割レよ かかってこい』

行きたりばったり
いったり たりありたりたり 寄ったり
がっかりさせるな客観視なんてあんまりだ
「精々頑張りな」の一言で
他人事で済まし 澄まし顔で黙りか
断崖絶壁からの眺めありのまんま観な

バッサリ 伐採木山に全でほかされた不快感
我は長い時間掛かって分解する愉快犯
臭いものに蓋をして海に捨てられたフライパンや空き
此の星は既に末期がんらしいな こりゃいかん
雁字搦めな時間軸の管理下から離れ
肝心要な 担子菌類の酵母
攻防戦を繰り広げる微生物の暴動
決して人間を否定せずに共存(きょうぞん)
頑として完治させてやるから廻せ羅針盤
必ず治す そう
素粒子の操縦士(そうじゅ)が握る
休みなく働く短針を労う
長針を螺旋巻く手品師襟足
出来ない事を毛嫌いせず
あえて溺愛する星の修理工にて敵なし
先人たちより受け継いだ鎮守の森は念入りに年輪を刻み
人類の心癒す精神科医であり
足の裏に隠れた数ミクロンのバクテリア
何を為すべきか役目を知る革命家
擦れ違って全て忘れちまった神髄を連れ
各自 各位 へ向け歩け
百年後の地底世界からの発言者(はつげんしゃ)が
来る次世代の人間たちへ預け
アンチテーゼなラブレ

「拝啓 古きを温ね新しきを知る者達
私たちは未来こそ懐かしいものにしなくてはならない
未だ名は無き胎内に眠る命一塊
無垢で無告()な瞳をいざ光の方
誘え を 御霊へ 極まれ
心眼を開かせみたまえ
産み親の痛み全身全霊で受け止めてやるから
死をもう一度思い出し 命懸けでかかってこい」

青の慟哭 脆く唐突な星の死の朗読を詠む
猪突猛進する光の豪速球を泳ぐ
八百万(やおよろず)の神の中に名を残す
銀河系の羽衣を身に纏(まと)う 窓(まど)外(そ) アト
戦ぐ草木の如く 月の凹凸尊ぶ
放浪する太の素 脈を刻む
横着せず忘却の彼方へ到達した
聴覚 掌握する小惑星と踊る朴訥(ぼう)なコス
アンドロメダのオルゴール回し酸素製造し
何度も誕生するがん細胞をも砕く地球(ちきゅう)の呼吸(こきゅう)
半透明な羊水の中モロー反応
へその緒で繋がる森羅万象
母親の産道をくぐり抜ける赤(あ)ん坊の見た夢の残像
父親乳をやることは出来ないが
ココログモルを晴らすを示すのは可能
一度だけだしかと聞き逃すなよ

「YES sir 振り向け
こちらが口づけをしているというのに
君は画面に釘付けだなんて愛は盲目
触れ 突き抜け 手を汚すんじゃなく
凄く澄んだ瞳にすんだ
擦り剥け 転ぶんだ 泥に塗れて
動かせ 埋もらせるな生命の産声
天を揺るがせ 地を覆せ 苔の生すまで
ぶつかれど行くあてに吹く風と結ばれよ」

壊れかけた星を巡る
追われたてた物の怪や除け者 の獣たちの瞳
取られた時を取り返せ
お前だけが良しとされる都市のみを見ず
おしなべて もしも我ノ割レと置き換えて

虎杖の杖を突いて見守りの森を歩き
皆元に戻り水面の 膝元に揺れる
十六夜(いざよい)の月を愛でる似た者同士
見た事もない世界が今此処に現れる
草木詠い縁深き御嶽 ニライカナイ
恨み辛み無き「懐かしい未来」とは
しき 四季折々の花々の元に
挙る色とり どり舞う日に膨らむ実
つがいの野兎追う 轡虫の行く足
カムイ欠伸の先に殺意
迫に咲く艶蕗の呟き 山燻す霧煙り燻らし
君の棲む街に古錆びた日暮の音が届く頃
蜜蜂の幾多の気配りを知るがいい
静かに 鷲掴(わしずか)み
塚にも似た仮住まいの息遣いの中
闘え 労れ(いたわれ) 我ともっと深く 関われ

まとめ

いかがでしょうか。

志人ならではの文章と世界観ですよね。

普通、韻を踏める単語を無理やり持ってくると知的な文章は破綻します。

知的な文章と世界観を崩さずにこれだけの韻を踏んでいる志人のスキルは圧巻です。

そして、これだけ韻を踏んでいるからこそ、大量の単語がストレートに頭に入るのですね。

以上、志人の「韻」についての解説でした。

▼その他「韻」解説記事は下記リンク

「韻」解説 記事一覧

 

『結-YUI- feat. 志人』は以下のアルバムに収録されています。また、サブスクでも聞くことができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。