2022年、次郎(仮名)が長い沈黙を破りEP『再生』をリリースしました。
『delay effect』はEP1曲目の楽曲で、タイトな韻と独特なワードチョイス、巧みな情景描写は、次郎(仮名)が再び戻ってきたことを知らしめるものになっています。
韻
この曲は、小節ごとにタイトに韻を踏んでいます。
約1分間。
この曲、この詩は短いか?
「否、相対的で無意味」とたしなめる。
綺麗事は語らず、イントロから心臓を 射抜くのさ。
未使用な伸び代を出し切りたい。この時代、withコロナ。いつどうなるかも
知らない。だが時は流れこのまま淀みなく猫の目の様に変わり行く世界。
今日で最期ならば 何を取るべきか、
どれか一つだけ選べ。
確認するが、
驚くほど死は身近にある。
今、存在出来てる意味を確かめる。
生ける者は必ず死ぬ。ノロマはいつ頃 気付くのか?
肉体などイチコロだ。死に際にも動じない軸こそが 必要なんだよ。
柵から解き放たれ言葉や音になって何処でも飛び回り続けたい。
そう願い、ほらまた舞い戻ってきた
俺が次郎(仮名)だぜ。
さらに、1バースと2バース全て同じ母音で構成されており、バース全体で韻を踏んでいます。
約1分間。
この曲、この詩は短いか?
「否、相対的で無意味」とたしなめる。
綺麗事は語らず、イントロから心臓を射抜くのさ。
未使用な伸び代を出し切りたい。この時代、withコロナ。いつどうなるかも
知らない。だが時は流れこのまま淀みなく猫の目の様に変わり行く世界。
今日で最期ならば 何を取るべきか、
どれか一つだけ選べ。
確認するが、
驚くほど死は身近にある。
今、存在出来てる意味を確かめる。
生ける者は必ず死ぬ。ノロマはいつ頃気付くのか?
肉体などイチコロだ。死に際にも動じない軸こそが必要なんだよ。
柵から解き放たれ言葉や音になって何処でも飛び回り続けたい。
そう願い、ほらまた舞い戻ってきた
俺が次郎(仮名)だぜ。
しかしこの曲は、韻を踏みまくることが目的となっておらず、次郎(仮名)の経験や感情を深く掘り下げ、緻密に練った言葉で彼の世界を表現しています。
“バース全体で母音を揃える“という重い制約の中で強度の高い世界観を構築しています。
曲名
バース全体で韻を踏んでるということが、曲を聴き終わった後に初めて分かる、後から気がつくというこで曲名が『delay effect』となっています。
「delay」とは、「遅らせる、後ろにずらす」という意味で、音楽制作にて「delay effect」はよく使われるエフェクトです。
示唆
このリリックは以降の楽曲で明らかになる、沈黙期間で起こった身内の死や心の病について示唆するものになっています。
確認するが、
驚くほど死は身近にある
今、存在出来てる意味を確かめる
仕掛け
次郎(仮名)はこの曲で
1.リリックの内容と韻で惹きつける
2.後の曲に繋がるワードを示唆する
3.バース全体で韻を踏んでる事に気づかせる
4.曲名の意味に気づかせる
という仕掛けを作っています。
これ程に作り込まれた楽曲なので、ただ単に「長い韻を踏んでいる曲」といして消費するのは勿体ないので、EP全体を聴いてみてるのをオススメします。
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