谷川俊太郎とHIPHOP

不可思議/wonderboy – 生きる

谷川俊太郎『生きる』の詩を元に不可思議/wonderboyのリリックが展開される曲です。

2人の世界観が、詩とラップが見事に融合しています。

谷川俊太郎は不可思議/wonderboyについて「生きる挙動(living behaviour)を感じる」とインタビューで語っています。

その言葉がそのまま彼のドキュメンタリー映画のタイトルとなっています。

生きる
谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ 

また、谷川俊太郎『生きてるってどういうこと?』のプロモーションで不可思議/wonderboyの『生きる』が逆に使われています。 (動画13:00~)

フルバージョン対談動画|谷川俊太郎 ×宮内ヨシオ『生きてるってどういうこと?』

鎮座DOPENESS – ごあいさつ

谷川俊太郎『ごあいさつ』の詩を鎮座DOPENESSのラップで聴ける極上の一曲です。

鎮座DOPENESSのアルバム『100%RAP』はこの曲から始まります。

ごあいさつ
谷川俊太郎

どうもどうも
やあどうも
いつぞや
いろいろ
このたびはまた
まあまあひとつ
まあひとつ
そんなわけで
なにぶんよろしく
なにのほうは
いずれなにして
そのせつゆっくり
いやどうも 

HALCALI – 芝生 feat.谷川俊太郎

谷川俊太郎を客演に招き、曲のラストに『芝生』の朗読が入るという衝撃作です。

ラストの朗読までの世界観の作り込みが秀逸な一曲です。

芝生
谷川俊太郎

そして私はいつか
どこかから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべきことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ 

bird – これが私の優しさです feat.TWIGY

冒頭で谷川俊太郎『これが私の優しさです』が朗読されています。

この詩から2人のリリックが展開されていくという楽曲です。

これが私の優しさです
谷川俊太郎

窓の外の若葉について考えていいですか
そのむこうの青空について考えても?
永遠と虚無について考えていいですか
あなたが死にかけているときに

あなたが死にかけているときに
あなたについて考えないでいいですか
あなたから遠く遠くはなれて
生きている恋人のことを考えても?

それがあなたを考えることにつながる
とそう信じてもいいですか
それほど強くなっていいですか
あなたのおかげで 

 

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