2022年12月12日のCreepy Nutsのオールナイトニッポンにて次郎(仮名)『HARD』を紹介
R-指定：今日紹介したいのはですね、ほんまはリリースした時に紹介したいなと思ってたんですけど、タイミングをずっと逃し続けてて、昔から色んな場所で言ったりしてきてたんですけど。
R-指定：ニコニコ動画にラップを上げるニコラップっていうのがあったじゃないですか俺らの世代。
DJ松永：当時俺らが10代とか20代前半の頃。
R-指定：そうそうそう。今活躍してるラッパーの中にもニコ動出身の人とかたくさんおるんですけど、その中でこの人は尋常じゃないなって思うようなスキルを持った。
R-指定：何か他のニコニコ動画に上げてるラッパーの人と全然スタイルも違うし、影響受けてきたものも違うんやろなって人で次郎(仮名)っていう人が。
DJ松永：あーっ！！！えっえっえっやってるの？
R-指定：で、その人化け物みたいな曲をニコニコ動画残して。でもそれも全部消して一旦活動をしてない期間があったんですけどね。
R-指定：10月25日に6曲入りの『再生』というEPを出して。
DJ松永：えー！マジで？俺それ知らない。
R-指定：そんな中には過去にニコ動に上げてた楽曲の新しく撮り直したバージョンとかも入って。
DJ松永：これ？『真逆様』
R-指定：そうそうそう。これね一聴しただけじゃ分からない、歌詞見ながら「え？」ってなるんんんすけど、基本的に全リリックが回文で構成されてるっていう。
R-指定：「新聞紙」逆から読んでも「しんぶんし」みたいな感じで、長めの文章が全部回文でリリックになってて、ちょっと壮絶な楽曲があったりとか
DJ松永：やば！それこそRと遊び始めた最初のあたりに教えてもらった「やばいから聴いて下さい」って。
R-指定：歌詞がね、めちゃくちゃヤバイ人なんですよ。
R-指定：リリックの面白さと密度ってことに関しては、他の追随を許さんぐらいのレベルの人で。
R-指定：今トレンドのラップのスタイルの韻の踏み方とかフロウとは一線を画したような。
R-指定：緻密に文章を構成する上で、ちゃんと文字情報としてリリックを扱って文章として書いてからフローする、じゃないと考えられないぐらいのリリックの密度というか。
R-指定：韻の手数やったり、韻の組み方とか「この言葉ってまだこんなに踏めるの？」って思わせられるようなラッパーでして。
R-指定：その『再生』というEPから1曲、これがまた今のトレンドと全然逆なんですよ、1曲1曲がすごい密度で凄い長いんですよ。
R-指定：そんぐらい情報量があるという、この中から『HARD』っていうか曲を聴いてもらいましょう。
DJ松永：え、これは新曲？
R-指定：新曲なんですよ。
DJ松永：マジで！！結構今びっくりしてるんだけど。何年越し？
R-指定：えーっとね、下手したら7,8年越し、もっとかな？
DJ松永：うわヤバっ。
R-指定：ちょっと聴いてもらいましょう。次郎(仮名)『HARD』
R-指定：この曲を出していなかった期間に何があったのかという次郎さんの人生を垣間見るリリックとか、表現の仕方も凄いんですが。
R-指定：それを言っていたらは時間がないので、単純にライムの仕方が、こんなにも踏みながら、こんなにも何年間を描写できるっていうスキルがエグいんですよね。
DJ松永：たしかに、もう話を理解するのにいっぱいだったんだけど、めっちゃくちゃ踏んでるよね。
R-指定：やばいっすよね。
眩暈・頭痛。壁が迫り来る。
下手に すぐ 寝たいと思うほど眠れない。
ずっと ここじゃないどこか
別世界を願いつつ 寝返り打つ。
ネガティヴがへばり付く 駄目駄目な自分。
孤独とルームシェアする
部屋に住む このシュール＝レアリスム。
R-指定：そのダメダメな自分っていう、その後に
孤独とルームシェアする
部屋に住む このシュール＝レアリスム。
R-指定：この調子がずっと続くからね。
DJ松永：えぐ。
R-指定：文字の韻じゃなくて、響きの韻のすごく多い。
交信の途絶えた パラレルワールドにて唱えるモシモタラレバ。
R-指定： “交信の途絶えたパラレル” が無いと韻に聞こえないよな “モシモタラレバ” 。その後に
寒空なのに ぼやける星を眺めた。
R-指定：ここはきれいにライムになってたりとか。
R-指定：こういうのでずっとあるから、響きとしてもずっと気持ちいいし、おそらく文字上に分解しても「ああ、こんなに踏んでるんや」っていうのが、一切の文章のブレなくストーリーとして入ってくるっていう。
R-指定：やっぱね、ラッパーのスキルとして今こんな正攻法で出来るは稀有な存在やなと。
DJ松永：しかもこれ7分？
R-指定：やばいよな。
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