PUNPEE『Award Tour』にこんなリリックがあります。
志人(敬称略)いってたよね
iPhoneで書くよりね
鉛筆買ったららえぇねん
ポディマハッタヤさんです
お膳立てより巴御前の朝のお膳
この記事ではこのリリックの元ネタを考察します。
志人(敬称略)いってたよね
2017年5月27日に行われたDJ Krush『軌跡』のリリースパーティにて、豪華出演者によるサイファーでの志人が元ネタです。
これは『証言』のビートに乗せRINO LATINA II, OMSB, チプルソ, 呂布カルマ, Meiso, 志人がフリースタイルをするというバグったマイクリレーです。
以下、志人のリリックを耳コピで書き起こしました。
若きMC達に告ぐ
お前さんがリリックを書いてる
そのスマートフォンなんかが
決してスマートでもなんでもねぇ
先ずは鉛筆に握り変えろ
思考を変えろ 思考を変えろ 思考回路
そしてもう一度思い出せよ
鉛筆に握り変えろ
鉛筆は木からできている
鉛筆の中心部分にはgraphite 黒鉛というものが眠っている
それは電気伝導体だ
俺たちの心や体には電気が必ず眠っているんだ
それを白紙の????に
今だけをしたため
今だけをしたためろ
泣きっ面でもいいから書き連ねろ
ポディマハッタヤさんです
ポディマハッタヤさんとは谷川俊太郎 作『一本の鉛筆の向こうに』に登場するスリランカの鉱夫で、黒鉛採掘の仕事をしています。
『一本の鉛筆の向こうに』は小４国語教科書に掲載されたもので、鉛筆が手元に届くまでの仕事の過程と働く人々の生活を紹介した作品です。
登場人物は下記です。
・黒鉛を掘り出すスリランカの鉱夫
・ヒノキを切り出すアメリカの木こり
・丸太を運搬するトラック運転手
・工場で働く日本の工員
そして志人も木こりとして働いているという共通点があります。
お膳立てより巴御前の朝のお膳
巴御前とは平安時代末期の女武者として「平家物語」等に記されている人物です。
2022年の大ヒットドラマ「鎌倉殿の13人」では、巴御前をPUNPEEの妻、秋元才加が演じています。
まさにPUNPEEにしか書けないリリックになっています。
PUNPEEは過去にも妻のことを「俺に才能 加えてくれたあの女」と表現しており、リリックからオシャレでシャイな人柄を感じられます。
PUNPEE『Last Man Standing (I am Tanaka?) 』
まとめ
今回、PUNPEEリリックのほんの一節の考察でしたが元ネタやギミックがたくさん詰まっていました。
仮想現実やマルチバース、タイムトラベルなどのSF要素が強いPUNPEEの楽曲に原始的な志人の思想が引用されているのがとても興味深いです。
