2001年発売DJ MASTERKEY『DADDY’S HOUSE VOL.1』に収録されている大クラシック『HIP HOP GENTLEMEN feat.MUMMYD,山田マン,BAMBOO』
RHYMESTERとラッパ我リヤという2MCのグループに所属する4小節ごとのマイクパスでの掛け合いが、元々のグループでは見られない化学反応を起こしています。
まず、2MCの特徴がはっきりと対比になっていることで掛け合いがより面白くなっています。
トラックに対して前乗りで、小気味よく韻を刻んでいく山田マン。
起きろ上がれ今宵も笑え 騒げ調子どう?半端ねえ!
年を重ね増す年齢 温まる全身 詞作成しMeはラップ名人
対して、後ろ乗りでケツにしっかり韻を落としていく
オレは革命児 客湧かすイメージ 常に持ちこなすステージ
アルファベットのRから始まるグループから参上 Mr. Drunk
お互い多彩なフロウを見せ合うなかで、当然のようにライミングも多彩で1バース、2バースの締めは「ジェントルメン」で踏んでいます。
(MUMMY-D)
今宵もがなって腫れ上がらす扁桃腺 ヒップホップジェントルメン
(山田マン)
Bなジェントルメン 増え続ける全国で!
このように多彩なスキルを4小節ずつ互いのスキルをぶつけ合うスピーディーさと、2人で1つの物語を完結させる華麗さがこの曲の魅力です。
MUMMY-Dは2小節でマイクパスしたり、接続詞で歌い出して山田マンのバースと繋げたりと飽きない遊び心が満載です。
(2小節でマイクパス)
決めたいのはヤマヤマだが山田マンにパスザマイク この男は外さない
(接続詞で歌い出し)
焦点を定めて勝負 今日もペンを片手にトーク(山田マン バース)
するダンディ黒いタキシード着込み 乗り込むリムジンのバックシート (MUMMY-D バース)
そして、一般的なGENTLEMENとかけ離れた、少し滑稽なHIP HOP GENTLEMENの有様を表現したDJ MASTERKEYのトラックも絶妙です。
この曲の掛け合いがMINESIN-HOLDを加えた『HIP HOP GENTLEMEN 2』にすべて繋がっているのも最高です。
▼『HIP HOP GENTLEMEN』の「韻」考察記事はこちら