LIBRO『雨降りの月曜』韻考察

『雨降りの月曜』は内省的なリリックとは裏腹に “気分はさわやかな日曜日吉祥寺おれが意思表示” や “ああ 遠いチベット そんな話題も大いに結構” のような韻に重きを置いたリリックが時折あります。

その若干の突拍子の無さやコミカルさが内省的なリリックと対比しており暗くなり過ぎず、いい塩梅を保ってるように思えます。(メロディアスなフロウも含めて)

そしてラストの韻の畳み掛けは圧巻です。


雨降りの月曜
始まる原因不明の熱病 やる気の欠乏
今日も世間の波は荒く
また逃げるしかない奈落堕落
働く義を見失疑問
自問自答繰り返すきもん
しぼんでく勇気夕日の中
一日と呼ばれる周期をただ
流れ任せる弱い船乗り
そろそろ 心の堅いフタ取り
普段より ちょっと前向き
上向いて歩けるまで耐え抜き
ひからびてた信じる
思い出そう今日この日から
えるかき消そうと
しても人生にゃ欠かせぬエピソードから

雨降りの月曜 始まる原因不明の熱病

成長延長 線上
自分にたたきつける戦状
園の片隅で一人
その夜風に揺られる
大きな壁取り払い
眠っている意識よ起きなさい
気分はさわやかな日曜日吉祥寺おれが意思表示
白鳥かアヒルのボートに乗って
いつもおなじみのビールを飲んで
寒気りゃ寒いでコート着込んで
今日も意込んでちょうどいい本で読んで
ああ 遠いチベット そんな話題も大いに結構
素直に笑って泣けるようなれば来週の月曜晴れだ

澄んだ気持ちを込めるまず
そしたら上手に飛べるはず
泣いてばかりじゃ無い手がかり
楽しまないなんて最低じゃない
風使い がせつない 君の手つない手伝いする ええつまり
冒険を忘れた目ぐらいげえ暗い心に Say Good Bye

 

胎動」 収録 

 

 

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