「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」において、Creepy Nutsのお二人がBESの「1step,2step」を紹介しました。
以下、R-指定 → R DJ松永 → 松
日本トップクラスの上手さ
松:R-指定さんの日本語ラップ紹介のコーナー参ります。
R:はい、今日紹介したいのはですね、冒頭でBAD HOPの話しましたけど、彼らは川崎じゃないですか。
川崎にはもう一つ伝説的なHIPHOPグループがおりまして、それがSCARSっていうグループなんですね。
松:いぇー。
R:SEEDAさん、bay4kさん、STICKYさん、A-THUGさぐさん、BESさんというラッパーを中心に組まれたグループなんです。
あとトラックメイカーの I-DeAさん。
そのグループのBESさんのソロ曲を紹介したいと思います。
SCARSの「THE ALBUM」ってアルバムに入ってるソロ曲「1step,2step」って曲を紹介します。
松:いぇーい。あれ最高だよね。
R:最高なんですよ。
この曲どうがすごいかと言うと、BESさんって人は間違いなく日本トップクラスでラップが上手い。
松:ほんとよね。
R:そのラップの上手さは、韻を踏んで上手い事を言うというより、「聞こえ」フロウと言われるラップの歌い方が尋常じゃなくカッコいい。
リズム感と声の発生の仕方、持って生まれた声がエゲツないラッパーなんですよ。
そして歌詞も凄い詩的な歌詞を書くんですよ。
詩的なことをもの凄いラップでやるから、日本トップクラスなんですよ。
それをより思わされた曲で、最初BESさんのラップの上手さって英語っぽい事なんかな?って認識したんですけど。
後々、歌詞も凄いって気づくんですけど、なにより凄かったのが「1step,2step」って曲で、三拍子のビートを乗りこなすんですね。
この三拍子のビートっていのはワルツとかで使われるようなのリズムなんですよ。
本来HIPHOPで使われるのは4拍子のリズムなんでど、三拍子っていうのは区切りがないビートなんでラップ乗せるのはすごい難しいんですよ。
この三拍子のビートに乗せる正解って何なんやろ?ってなった時に、これが正解やって思わされたのがこの曲。
I-DeAさんが作った逆再生で三拍子のビートにBESさんが見事にラップはめるんで、是非聴いて下さい。
BESで「1step,2step」
三拍子に乗せるラップ
R:はい、これ三拍子にラップ乗せるんやったら、冒頭のBESさんのラップの仕方だと息継ぎないんですよ。
松:んん!
口先だけ簡単だ 当たり前その感覚は
混乱したこの街の中 今日も泳ぐだけだから
R:ってずっと続けないと三拍子乗れない。
でもBESさんが凄いのは、その次4拍子に戻すんですよ。
大丈夫 気にすんな
大丈夫 言い聞かす
大丈夫 何がだよ?
これで4拍子に戻す、三拍子の中に4拍子見つけて乗せるというこのやり方。超革新的。
松:なるほどね。
R:俺が「使えない奴ら」って曲作る時に三拍子のラップ乗りこなすために「1step,2step」を完全に歌えるように自分の体に入れてから、あの曲を書いてたという。
松:あったねー。
R:というぐらい参考にさせてもらいました。
松:懐かしいね、そんな時期あったね。
R:この曲がなかったら「使えない奴ら」も歌えなかったし「月に遠吠え」も歌えなかったという。
松:いいですね、先人たちに学びますね。
R:ほんとですよ。
BESで「1step,2step」でした。
I-DeA塾
松:先ほど、BESさんの「1step,2step」をかけましたけど、かっこいいよね。
R:これなマジでかっこいいし、日本語ラップにおける三拍子に乗せるラップとして最高峰。
未だにこれを超える三拍子の乗せ方まだ聴いたことないな。
松:三拍子の曲を四拍子でとるとすごい遅いんだよね。
R:そうそうそう、ゆっくりになる。
松:そのビートに遅いラップとして上手く乗せる人も居るんだよね。
R:俺らで言うと「使えない奴ら」と「月に遠吠え」のサビは遅く乗せて、ヴァースのとこは三拍子で乗せたり四拍子に戻ったりってのをやってるんですけど。
松:ISH-ONEさんの「I’m home (pro. I-DEA)」とかそうだよね。
R:あ!そうやね。
俺がソロでアルバム作った時に、I-DeAさんにプロデュースしてもらって、この世代のBESさんSEEDAさんNORIKIYOさん名うてのラッパー達全員がI-DeAさんにプロデュースしてもらってアルバム一枚作るという経験を経てラッパーとして一皮むけるんですよ。
これをI-DeA塾とHIPHOP業界では呼ばれてて、俺も幸運なことにI-DeA塾で一枚目作らせてもらって、そん時にI-DeAさんが三拍子渡すってことは「お前これどう乗るねん?」ってテストなんですよ。
松:いやー怖いね。
R:そう、だからI-DeAさんとやってる人達は一発、三拍子渡されてるんですよ。
それを乗りこなせるかどうかでラッパーの腕が問われる。
だから俺も、絶対負けへんと思って「1step,2step」をまず歌えるようになって、そんで「使えない奴ら」を書いたんですよね。
松:なるほどね。
R:だからあれをテストとして出されてアルバムを作れたのはいい経験やし。
I-DeA塾すごいのが、I-DeAさん自身はトラックメイカーでプロデューサーなんですけど、数々のラッパーを成長させてるからフロウとか乗せ方のアドバイスとか歌詞のアドバイスもしてくれるんすよ。
それがまぁ的確で。
松:そうなんだ。
R:I-DeA塾面白いのが、I-DeAさんと初めて会った瞬間に「R-指定くん、ここにあるキシリトールのガムで10個曲作れる?」って渡されて。
松:えぇー。
R:なんか10個ぐらいテーマ出してって言われて。
まず「ガム」「ふた」「歯」「物を入れる器」えーと、えーと、
「まぁまぁ最初はそんなもんだよね」って言われて。
松:そんな感じなの!
R:それが一発目の修行。
松:マジで!
R:それで、ずっとREC続けてるうちに1個の物でもお題を10個出せるようになるっていうI-DeA塾。
松:へぇー。そんなことあったんだ。
R:I-DeA塾すごいっすよ。
松:最初にそれ言われたらドキドキするね。
R:I-DeAさんと1枚目作らせてもらって、ほんまに それまでの俺より確実に5倍はラップ上手くなりましたね。
松:素晴らしいですね。
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Creepy Nutsのオールナイトニッポン0は毎週火曜日の深夜3:00より生放送