テークエム『Poltergeist』のマニアックな「ホラーリリック」

テークエム『Poltergeist (feat. ふぁんく,peko,KennyDoes,KZ,KOPERU,KBD,R-指定) 』

この楽曲では、梅田サイファー内で屈指のホラー好きで知られるKBDとR-指定がそのマニアっぷりを遺憾無く発揮し、ホラー映画や心霊スポットの用語を大量の詰め込んでいます。

この記事では、それらのリリックをピックアップし解説します。


KBDヴァース

KBDヴァースは海外ホラー映画に関するワードがリリックに散りばめられています。

それぞれ詳しい解説は下記に。

あそこのドア
あれ?空いてたっけ?
好奇心に負けてあえて探検
屋根裏部屋でみつけたレコード
周囲で増え出すイカレタ行動
ギターに見たてぶん回すダイソン
全身体毛生えだすAIBO
隣のババアが「エイッ!」とか
「YO!」とか叫んでいる騒ぎの元凶
テキサスチェーンソー
ジャパニーズゆんぼ
週5で集合 ある種夢遊病
時代に逆行する百鬼夜行
シーンの端っこ浴びる脚光
日陰で動かす日本語ラップゲーム
潮吹き絶頂 死霊のアクメ
ウィジャ盤の上に現る文字「UC」
誰モ制御デキナイ

屋根裏部屋でみつけたレコード
周囲で増え出すイカレタ行動 

「屋根裏部屋」というシチュエーションが海外ホラーの定番すぎて明確な元ネタを特定出来ませんが、レコードを「記録」という意味で解釈するならば『フッテージ』が思い当たります。

『フッテージ』は屋根裏部屋にて一家殺人を記録した8ミリフィルムを発見したことを発端に、自身にも怪奇現象が起こる物語です。

テキサスチェーンソー

「レザーフェイス」こと、人皮のマスクを被った大男がチェーンソーなどで襲ってくる名作ホラー映画『悪魔のいけにえ(原題:The Texas Chain Saw Massacre)』より。

2003年にはマイケル・ベイ監督によるリメイク版『テキサス・チェーンソー』、2006年には『テキサス・チェーンソー ビギニング』が公開されています。

“潮吹き絶頂 死霊のアクメ

『死霊の〜』と続く映画タイトルは数多くあり『死霊のはらわた』『死霊の盆踊り』などが有名です。

『死霊のアクメ』というAVがあったら絶対観ますけどね。

ウィジャ盤の上に現る文字「UC」”

ウィジャ盤(ウィジャボード)とは降霊術で使うもので日本のコックリさんのようなものです。

この道具を題材にしたホラー映画は『呪い襲い殺す(原題: Ouija)』や『ウィジャ・シャーク /霊界サメ大戦』があります。

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Nbcユニバーサル エンターテイメント

R-指定ヴァース

R-指定ヴァースでは、大阪の生活と東京の生活を各地の曰くつきスポットに絡めて表現したリリックになっています。

ラップを主体に各地で特異現象(ポルターガイスト)を起こしている様子を読み取れます。

千日前刑場 黒門市場で培ったノリ
稲川の古巣から届けるトラウマな
怪電波火曜日
泉の広場抜けて歩道橋から
渋谷の仕置き場
将門の首もふらすパンチライン
響かす玉ねぎの下に

*一部抜粋

千日前刑場 黒門市場で培ったノリ”

千日前は大阪道頓堀の南東に位置し、江戸時代(1615年)は処刑場・焼き場・墓地がありました。

また、1972年には死者118人を出した千日デパート火災が起こっているため曰くつきスポットして有名です。

(千日デパートは現ビックカメラ)

稲川の古巣から届けるトラウマな怪電波火曜日”

稲川淳二は1976年4月~1977年9月までオールナイトニッポンのパーソナリティを務めた1人であり、初めて怪談を話したのもオールナイトニッポンです。

ご存じの通り現在のオールナイトニッポン月曜パーソナリティはCreepy Nuts。

泉の広場抜けて歩道橋から

「泉の広場」とは梅田の地下街にあった噴水で「赤い服の女の幽霊が出る」という都市伝説が存在します。

「白目の全くない女性」「かつて同地で立ちんぼをしていた女性」など様々な噂があります。

(現在はリニューアルにより撤去)

渋谷の仕置き場に”

現NHK放送センター付近は陸軍刑務所があった場所です。

二・二六事件の首謀者もそこで刑死し、現在はその地に慰霊像が立っています。

R-指定にNHKの出演イメージがあまりないので紅白出場してほしいです。

将門の首もふらすパンチライン響かす玉ねぎの下に”

武道館近所の千代田区大手町に位置する平将門の首塚

この塚には様々な伝説があり、京都で晒されていた首が空に飛び上がり、現在の首塚の地に落ちたという。

平将門の呪いや怨念から「移設しようとすると関係者が急死する」「触れると祟られる」などの噂があります。

今回取り上げたKBDのヴァースでは海外ホラー、R-指定のヴァースでは日本の心霊スポットと対比の関係になっています。

まとめ

『Poltergeist』という楽曲は「俺らのヤバさがまだ世間に知られていない、見えていない」というテーマで作られたそうです。

それを伝える手法がラップ(ラップ現象)というのもダブルミーニングがあったり、「世間に見えにくい」マニアックネタを入れまくる人がいたり面白い要素が豊富な楽曲です。

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