DJ SAAT – 武器よサラバ REMIX ft. DABO, MADOKI YAMASAKI & DA-Dee-MiX
この壮大なテーマをシンプルに“いっせーのせ、で武器を置け!”と表現するのは革新的で心に刺さります。
メッセージが広く届くよう、MVには英字幕もついてます。
知らね。たとえそうでもやるんだよ。
— DABO (@fudatzkee) January 4, 2020
「」
THA BLUE HERB / REQUIEM
この曲が衝撃的なのは、戦争当事者が抱える戦後も続く苦悩や罪悪感を描写していることです。
事象として終戦していても、心情では永遠に続いているという残酷な事実は不感症な我々にも刺さる内容です。
現実を知る者は居なくなり、ストーリーは後付け、捻じ曲げ伝えられるものなので、ラッパーとして目を背けたくなる事実を残した楽曲です。
置き去りにしたままの仲間が可哀想
それが頭から離れないと
口癖だった 丸まった背中””あれは昔の話だって言ってたが
きっとずっと苦しんでたんだ
生き残った事を恥じていた
寝言でうなされて謝っていた
墓まで持って行こうとしていた
あなたの恥は もう全部 燃えました
曲中には戦時中の作戦名や地名、戦後の政策などの用語が頻出しますので、下記記事に用語の解説をまとめています。
B.I.G. JOE / WAR IS OVER
B.I.G. JOEは6年間もの期間、刑務所という閉鎖的空間で過ごした後、3rd album「RIZE AGAIN」で世界平和を訴えました。
許すことが唯一の道
同じ過ち繰り返したくはない
そこから先へ向かおうか 水に流そうぜ 過去は
というリリックから察するに過去を清算し出所したB.I.G. JOEには、しがらみに囚われ争いを続ける人々に対して悲哀の念を覚えたのではないでしょうか。
この曲の日本語Verは下記リンクから無料でダウンロードできます。
SUIKEN×S-WORD / To All My People
「To All My People」は「戦争・争い」という壮大なテーマを歌っており、これまでNITRO関連の作品でも特異な曲となっています。
この曲はSUIKENとS-WORDが自身の無力感や憤りなどをミニマムな視点で描かれています。
戦争してねえやつの方が多いんだよ マジで
ああ、言葉だけじゃ伝えることが ああ、本当に難しい
そしてHOOKのこのラインは、全人類が「国」という概念を捨て、地球という「星」を継ぐ者という意識が平和へ繋がることを示していると思います。
I SAY TO ALL MY PEOPLE UNITE星を継ぐ者達へ
RHYMESTER / 911エブリデイ
911エブリデイ 驚くようなことは別にねぇ
ミサイル 弾丸 雨降りで ただしカメラ回ってねぇ国で
アメリカに肩入れをし「イスラム=悪」と刷り込まれ、9月11日だけ平和を祈る我々に無知の知を与える曲です。
炎上するワールドトレードセンターのみを切り取った報道がされるが、その後の報復(アフガニスタン紛争、イラク戦争)に対する問題提起があり
平和的手段講じてもみず
よくぞ言い放った
ストップ・テロリズム
一部の報道だけでは真実が見えないこと、またそれだけで分かった気になることの浅はかさを伝えるリリックがあります。
違いは見せるか見せないか
またはみんなが見ているか見てないか
また本日記念日指定外か?
なのに事実アノ日と似ていないか?
そして我々の立場から平和をどう考えるか問いかけがMUMMY-Dと宇多丸それぞれのリリックにあります。
テロに対するビッグ・テロ
映し出す夜中のチャンネル・ゼロ
じっと眺めながら待つバッドニュース
傍らにはポテトスナックとジュース
それも喉元過ぎりゃ知らんぷり
報道打ち切ったニュース番組どこか遠い国で怒った大惨事
TVで眺めてる幸せな午後三時
キングギドラ / 911
この曲は「9.11」事件の翌月に制作されたものだが、当時はレコード会社の自主規制により発売が延期されたものです。(後に一部改編『最終兵器』に収録)
一番事件直後の率直な心情を作品にしたものじゃないでしょうか。
結局911(Remix)として発売出来たのは1年後でした。(『最新兵器』収録)
Zeebra VerseではRHYMESTER同様に報道への問題提起が含まれています。
これはテロリスト対国家?いやちがう
一部の報道だけでは見間違う
そんなメディア戦略 ゆらぐ善悪
K DUB SHINEのVerseでは報復について、軍人よりも遥かに市民が被害に合っていることを痛烈に綴っています。
報復による報復による報復
いつになっても得られない幸福
誰がどこで何をより何故
おきたかの方が大切だぜ
文明と正義、偽善、ごちゃ混ぜ
アフガン難民に吹く冷たい風
犠牲はいつも市民の方へ来る
今夜もブッシュはベッドで眠る
RHYMESTER / いのちのねだん
911エブリデイに続きRHYMESTER が「戦争」をテーマにした楽曲です。
「日本で生きる我々が戦争と平和をどう考えるか?」を問いかける名曲です。
平和ボケした日本人の罪悪感を上手く捉えたリリックが多くあります。
感じたいのに感じない 俺もお前も不感症で
世界の平和への祈りは
3時台のワイドショー見て完了でそこじゃ確かに流されたんだ 無数の血
そのニュースは世界中が既に承知
なのに俺達はセカチューで泣いていて放置
そして何も感じず、考えずにいると都合よく扱われてしまうことに警鐘を鳴らして曲が締め括られます。
その他大勢の物も言わぬ数字に
俺もお前もなる そのうちに
マボロシ / マボロシのほし (EARTH-GO-ROUND)
戦争被害者の心情を描いた楽曲で、国という大きな力に屈するしかない無常感が含まれたリリックです。
争いから得られる国の利益は個人の幸福とは相反することを歌っており、『いのちのねだん 』でのライン
人の幸せはうず高い死体の灰の上にしか成り立たないのかい?
というMummy-Dの心情を1曲にしたようなもので、これまでの2作品とは違い、無常感を含んでいるもののキャッチーに伝えている曲です。
月桃の花が枯れる頃 / CHICO CARLITO Beats by OLIVE OIL
沖縄で生まれ育ち、最も戦争を身近で感じてきたラッパーCHICO CARLITOが平和を願う気持ちを曲にしたものです。
基地問題や戦争に反対の意思を示すラインがとてもリリカルです。
雲の隙間 何処かへ飛ぶ戦闘機
俺は首を横に振り続けてる扇風機
つまりは風を起こす
重い腰起こす
地元southsideに書き遺す
戦争の2文字に蓋をするワンバース
戦争の2文字に…
そして先人の苦しみのがあってこそ、今があると気づかされるリリックで曲が締められます。
哀しみの上 明るく振る舞い
百も承知です その空元気
おばぁの手に刻まれたシワに誓う今
シアワセの風は南から
ちなみに「月桃」とは沖縄に生息する植物で、戦後復興のシンボル的存在です。
「月桃」という沖縄戦を歌った曲があり、戦争を風化させないよう小学校でも必ず習うほど歌い継がれています。
般若 / オレ達の大和
般若らしいシンプルでストレートな表現で平和を祈った楽曲。
どっかのバカが発明し また どっかのバカが持つ核兵器
お宅の国のお偉いさんとお宅の国のお偉いさんで
サシでケンカしてくれませんか? コッチは本気で願うよ平和
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