リリシズムとライミングをハイレベルで両立し、異次元の世界観を創造する志人。
特に韻を踏みすぎてるラインを集めました。
TABOO1『禁断の惑星 feat. 志人』
ツラツラと語りに近いラップをしており、その言葉のほとんどが韻で繋がっているのが圧巻のヴァース。
“連ねた理由など…“から始まり間に2つ別の韻を挟んで最後に “プラネタリウム” で踏む部分が秀逸です。
機械任せで未来泣かせな博士の異常な愛情により
バイオ 倍増し大量のプルトニウムの雨が地上では降るという
連ねた理由など無いのに上辺だけで比べたりするから
地球は宇宙の中で孤立化する
取り憑かれて疲れたプラネタリウム
アイロニカルな 最後になるか
愛を抱くか君自身が太陽になるんだ
πの 解を担う パイオニア
先を見な
再処理は早いところ対処しないと防壁破り砲撃の恰好の標的
誤作動により放射能汚染
オーバードーズした六ヶ所
国家暴力 目下冒涜を説く
教科書じゃ消化不良だ坊や
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志人 / 満月 ~ 中庸 ~
2012年に発表した2ndソロアルバム「Zymolytic Human ~発酵人間~」に収録されているこの曲『満月 ~ 中庸 ~』
歌い始めは非常に穏やかな語り口調で、徐々に韻とメロディが乗ってきた頃には志人の世界に圧倒される情景描写と韻の連続です。
中でも韻の固さと描写の美しさが群を抜いてるリリック “田んぼのメダカのアンドロメダとやんごとなき閑古鳥の アンソロジー” は非常に有名なパンチラインです。
人間業とは思えない韻の畳み掛け “大波 小波 国会 用無し 本来 同し ソーラー….” は2010年発売SUIKAの『スイカ夜話』に収録されている『タマキハル』に同じようなリリックがあります。こちらの曲とのリリック・フロウの違いを聴き比べても楽しめます。
コンバインされた本来の存在は文無しでもこんなにも愛に満ちあふれているのだから無闇に死んだらあかんぞ
Don`t mind 後悔の無い航海に出ようやい 兄弟
東西南北広がる山麓 広大な海に抱かれる安息の地で感情の誕生する瞬間を堪能するのだよ
大波 小波 国会 用無し 本来 同し ソーラー見上げし兄弟
情無き 商売 終わり 能書き 氷河期 溶かし
将来 どうありたいかを強化し 脳内 ドーパミン 総立ち となり オーバーヒート
物差し 夜空に投げ打ち この先 生涯 誇らしい 友達
大人に 伴い 損ない どこかに忘れた望ましい行い
言葉に 留まりボロは着るが異なりを認め事足りる
そこらにあるよなオートマチックな機械とは違い音は知る
もどかしくも風立ちぬ 諸刃の心に横殴りの雨走る
田んぼのメダカのアンドロメダとやんごとなき閑古鳥の アンソロジーを我は観る じーっと枯れ葉 散る 荒れ果てた地球に帰す(Kiss)
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SUIKA with 降神 / タマキハル
SUIKAの5thアルバム『スイカ夜話』に収録されている『タマキハル』は15分におよぶドラマティックな超大作であり、2010年の発売当時は降神(志人、なのるなもない)が数年ぶりに揃ったことで話題を呼びました。
その世界観とストーリーが素晴らしいのですが、それを崩さず踏みまくる志人のライミングが驚異的です。
[ o a i ] の韻で畳み掛けた後、一文字足した [ o o a i ] でさらに畳み掛けています。大波 小波 後悔 用なし 本来 同じ
ソーラー見上げし兄弟
ものさし 夜空に 投げ打ち
この先 生涯 誇らし 友達言葉に 留まり 大人に 伴い
損ない どこかに 忘れた モノ達
異なりを認め事足りる事が
望まし 行いなのにもどかし
そう上手くはゆかぬが
「苦楽は歌うんだ」
とブラフマが 草むらを揺らす
プカプカ浮かぶ フワフワと膨らむ
複雑に渦巻くが狂わず 鈴なる
プラズマの ブラスバンド 降らすアース
グラグラ マグマ あぐら かく神楽
十中八九 崩さぬリズムで縮尺
拡大する宇宙は Who are you?
深く 繋ぐ 向かう プラス
無我夢中で貫く明日
うかうかしてる間にうやむやになるなら
ゆかぬか 悔やむな
この部分の踏み方は神業です。
[ u a u ] で立て続けに踏む部分、貫/く明日 [ u a u ] / [ u a u ] の踏む方なんて凄すぎます
「SUIKA夜話」
志人 / 心にいつも平和を抱いて ~No More War~
高波 [ a a a i ] で始まり、その後も美しい詩の世界観を崩さず殆どの言葉が母音 “a”で構成されています。
高波に抗い 赤紙に逆らいて雨ざらし
カナカナミンミン鳴くゼミ
さながら あなたは からがら生きている
はらはら涙がこぼれ落つるのは
命の儚さ からかな
たまたま出会った仲間は 宝さ ならばさ
まだまだ やらなきゃ ならない事が多々
我が刀あかさたなはまやらわをんの シャボンの鮮やかさかな
あたたかな やわらかな 裸な 眼差し
輝かしい ただただ あなたらし さは
様々さ しゃばだばだ
たかだか数十年間ならばさ
さらばだ言う前に学ばな
降神 / 三途
便利過ぎる [ e n i u i u ] から始まり 鉛筆握る [ e n i u i i u ] 全部気に入る [ e n u i i i u ] と [ i ] の母音を増やしながら踏んでいます。
便利過ぎる 現実見る 鉛筆握る 全部気に入る
戦時中じゃ考えられない事を天竺に向かって念じる
連日 演じ切るとハイド (ねぇ 君は生きるのが恐いの?)
DJ BAKU / 原始的占星航海術~小乗~ FT.志人 (TRIUNE GODS / 降神) + AKIRA KAWASAKI (MOUSE ON THE KEYS)
日ノ丸ノ元ニ集イテ地ヲ這ウ様ニシテ気取ラズニ広ガル真ッ直グナ詩ヲ書ク
人ト也 二度ト無イ イト可笑シキ日々ノ 意味ヲ問フ君ノ 耳元
志人 / 自然生 ~ 何処へにも行かず此処で踊れ ~
“白々しい理解者に 睨み合い…” [ i a i a i i ] から始まり、”時代” [ i a i ] や “光” [ i a i ] を挟みつつ、韻を畳み掛けています。
その次は、[ i a i ] の韻から発展し”軒並み 置き去り” と [ o i a i ] の韻を畳み掛けています。
白々しい理解者に 睨み合いを利かす皆々に
開き直りという名の時代の支配下に
置かれた君なりの光を今見よ
機は来たりし島々に 怒り 闇
悲哀なき 慈愛あり
忌々しい自己の卑しさに
未開の 未来をギラギラと漲らし
威張りや気張りを軒並み 置き去り
由なし仕事をお芝居 おしまい
媚びないで閉じないで
開く 近く 日は汲みなく昼は今すぐ来たる
僻むな漕ぎ出し 師走の様に駆け巡る気さくで示唆深く
イタズラにもひたすらに刻むカルマ
誰も知らず 知らずのうちにいなくなる
「己を殺せ」と教える仏の元で 汚れを落とす
溺れるな 溢れる微笑みを誇れ
何処へも行かず此処で 踊れ
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志人 / 狐の嫁入り ~神様が棲む村のうた~
『狐の嫁入り ~神様が棲む村のうた~』は地方に伝わる怪異を題材にしており、その怪しさと不気味さは韻の畳み掛けによってより増大しています。
圧巻な韻の畳み掛けは、韻に関与しない言葉を殆ど排除しながらも、ストーリーの筋や世界観を崩さないという神業です。
昔々 深い 沼地に咲く 蓮の花に座り
澄まし顔の 水澄ましが きつく抱いた 夕闇 揺らぎ
暗い夜道 ふわり 浮かび上がる兎 村に 歌いあらましき 災いに やかましいと阿唐獅子
風上に 抗いし 山並みに 逆らいて 花は散り閻魔様に 天は黙り 剣片喰 禅袴に 伝鉞 研磨かかり 線露に 田河原
面重なり 点現し 芸は盛り 生儚き 名は名無し 平和語り 念釈迦じゃ
宴酒場に 命高鳴り ええ魚に玄米と 献杯と 返杯を 先代より天体へ狐の嫁入りの晩 三つ目の狛犬が 手毬 ねだり 絵描き詩せがむも根無し草
困り果てて弱い雨の終わりかけに怒鳴りたて
御上かて 逸らした目 空見上げ おら知らねえ
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スガダイロー演奏による別Verは志人 & スガダイロー『詩種』に収録されています。
志人・スガダイロー『ニルヴァーナ-涅槃寂静-』
『ニルヴァーナ-涅槃寂静-』は全て日本語で構成されており、細かい自然や感情の描写が美しい楽曲です。
そして志人は1つの韻で平気で5,6個、多い時は20個以上の韻を踏んでいます。
いつから 見つからなくした絆や
一途な 自ら 静かな ニルヴァナ
幾多の戦を経て見るからに
傷だらけの真空管の中
青い悟り 謎に宿り
籠に入れられた鳥は飛び
さあ来い 便り
故郷に ハーモニー 運び
あの日 なぞり行き着く果てなど未知数
入り組む心と知りつつ
シリウス 散りぬる
醜く見えるが息づく命は
身に降る 事実よりも美しく
意味する 真実 シク シク四苦八苦
チク チクタク ちぐはぐ過ぎ去る
インビジブルを信じ抜く
吹きすさぶ嵐に勇気を口ずさむ
幾ばくの夢を詰め込み浮かぶ
真空管中 ジグザグ歩行でチンプンカンプン
ぎくしゃく ワク ワク 打ち砕く
寂しくなるとなる シグナル wo
逸脱 静まる 見下す事無くしくまず
シンクロナイズ ピースマーク に繋ぐ
振り返らず 繰り返さず
無に帰る 理由無く 自由なるユニバース
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降神 / 時計の針
『時計の針』は降神の独自の世界観と異次元の韻とフロウを世に知らしめた作品です。
この曲で志人となのるなもないの2人は細かい韻を連続的に繋げて独特なリズムを生み出しています。
(志人)
下手 ネタ 枝 リーフ ネガティブ
駄目駄 目なプレスされた
ネタで根掘り葉堀り
Weed ほっぺたに ケタミン
アシッドにアンフェタミン
手取り足取り
教えてあげられるなんてダリーから
made in アムスでpit in
一人満面の笑み
きっと二万名の人が
レッドアイキャッチする家畜
マジ バッズ バッチグーのアンテナに
かなり毛並み良い犬かなわない
下手に バラしたらmother
まだ wanna be 人間
傍らに 麻原 まだ高 ら笑い
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「降神」収録
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狐の嫁入り、
水澄ましが と きつく抱いた で踏んでると思います
ご指摘ありがとうございます!