HIPHOPとの関係を擬人法で表現した名曲まとめ

阿婆擦れ / Creepy Nutsu


 

「阿婆擦れ」は、流行り廃りが激しいHIPHOPシーンを阿婆擦れとして表現し、自分だけのものにならない「もどかしさ」を歌っています。

Yes,yes,y’alland you don’t stop
to da beat y’alland you don’t stop

I love hip hop だがhip hop don’t love me
引っ叩かれてもっとf..k me
<歌詞カードより引用>

曲のラストでの歌詞「Yes,yes,y’alland you don’t stop….」

これはCommonの名曲「I Used To Love H.E.R」のサンプリングです。

この曲もHIPHOPを女性として擬人化し、純粋な女性がドラッグやギャングに染まっていく様子を歌ったものです。

締めの「I love hip hop だがhip hop don’t love me…」

これはキングギドラ「公開処刑」でのZeebraのリリックと上手く対比になっており、HIPHOPから相手にされないもどかしさを表現しています。

U LUV HIP HOP? だが HIP HOP DON’T LUV U
ヒッぱたかれて速攻FUCK U

-公開処刑 / キングギドラ –<歌詞カードより引用>

ナイスミドル / RHYMESTER

RHYMESTERが築いてきたキャリアがあってこその、哀愁あるHIPHOPへのラヴソング。

Creepy Nutsu「阿婆擦れ」同様、Common「 I Used to Love H.E.R.」のサンプリング、オマージュがある。

R-指定の「必死で腰を振り続ける」というリリックとは対照的に、宇多丸のリリックは酸いも甘いも知るからこそ出てくるリリックです。

キミだけが不安にさせる 不満にさせる
今も変わらず一心不乱にさせる
だが、俺はそれをおくびにも出さない
ナイスなミドルなのさ….
<歌詞カードより引用>

一方、Mummy-Dのリリックでは、CD・レコードを開封する時の高揚感を女性との初体験で比喩しています。

これは上手すぎてゾクゾクします。

人目を避けて互いに見入る
震えて剥がす 薄いヴィニール
初めて触れた
あらわなキミのディティール
漏れてくる声に聴き入る
<歌詞カードより引用>

 

この歌詞は、「DA.YO.NE」の歌詞提供や「マボロシ」での活動など、幅広い層へ発信してきたMummy-Dの切なさが現れています。

オレだけのもんじゃなくなったが
オレだけのもんじゃなくしたのは
このオレだった
<歌詞カードより引用>

 

▼「ナイスミドル」収録アルバム

心の理由 feat. 般若 / DJ PMX
なにもない / 般若

「心の理由」ではラップにのめり込んでいく様子から、HIPHOPがメジャーになって変わり果てる描写まで。

まるで日本版の「I Used To Love H.E.R」のようです。

その後、作られた「なにもない」は恐らく最も擬人化した作品ではないでしょうか。

この手紙は個人に向け書いてる 後悔ないです
結果からいえばお互いが泣いてる

– なにもない – <歌詞カードより引用>

妻子持ちであり、フリースタイルダンジョンで注目を集めるさなか発表した楽曲だが、かなり際どい表現で作られています。

 

▼「心の理由」収録アルバム

▼「なにもない」収録アルバム

 

Muse / ZORN

「Muse」とは「物思いにふける」という意味があり、曲中でもその様子が伺えます。

一方、「Muse」は芸術の女神の名前でもあり、ラップという芸術に対してのラブソングです。

「具体的表現」がZORNのリリックの特徴ですが、この曲では真逆な「抽象的表現」でアプローチされています。

嫁のシャンプーはヴィダルサスーン

– Learn 2 Learn feat. ZORN / NORIKIYO –<歌詞カードより引用>

 

▼「Muse」収録アルバム

待ちぼうけ ~Baby Baby~ feat. PUNPEE / NORIKIYO

でもBaby ちょっと今さ
振り返ってみたら相当ブスじゃん
そんなんだった?

自身の過去作へか?シーンに対してか?NORIKIYOならではの皮肉と言い回しが詰まった曲です。

アルバムでは、最終的にHIPHOPにフラれる「待ちぼうけ」から、自分のケツを叩いて新しいスタイルを更新していく「ギリGET IT」に繋がります。

Limit Limit 近づくぜ日に日に
Freshじゃなくなりゃどっかの見切り品
ギリGET IT (feat. 4WD) <歌詞カードより引用>

 

▼「待ちぼうけ ~Baby Baby~」収録アルバム

音色 / KREVA


キャッチーなサビから分かるように、難しい比喩表現は避けたシンプルな「女性」と「音楽」へのラヴソングです。

「思い通りにならないもどかしさ」を表現したリリックが秀逸です。

手を伸ばしてもすり抜け 投げKISS
<歌詞カードより引用>

 

▼「音色」収録アルバム

H.I.P feat. Mummy-D & Tiara / KEN THE 390 

RHYMESTER口から出まかせ」でのMummy-Dのリリックをフューチャーした楽曲。

言葉のケツ「脚韻」と女性の「ケツ」、HIPHOPの「HIP」がかかっています。

言葉のケツ 追っかけ回し
飽きたら 別のケツ なめ回し

-口から出まかせ / RHYMESTER feat.KING GIDDRA&SOUL SCREAM - <歌詞カードより引用>

Mummy-Dは「末期症状」でも同様のラインがあります。

言葉のケツ追っかける難病
先天性ライミング症候群が病名
– 末期症状 / Maki & Taiki feat. Mummy-D & Zeebra  <歌詞カードより引用>

 

▼「H.I.P」収録アルバム

Love or Die Remix / 2WIN

「Love or Die」というほど、HIPHOPで生きていくことを固く決意した曲

T-Pablow のVerseの背景はKAI-YOUのインタビューで詳しく語られています。

▷T-Pablowインタビュー

 

▼「Love or Die Remix」収録アルバム

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