LIBRO『ある種たとえば feat.小林勝行』レビュー|輪廻転生 出会い 別れ 争い


この曲は遥か昔、人間が自給自足の生活をしている描写から始まり、そこから死と転生を繰り返し現代の小林勝行まで繋がるというストーリーです。

いつの時代も変わない人間同士の美しい繋がりや醜い争い、そこで生まれる愛や苦悩を表現しています。

クライマックスに脈々と受け継がれた命と思いを受け現代の小林勝行が放つ言葉が感動的です。

今2014年2月12日
多分 歴史上
一番虐げられた 黒人に影響を受け
心臓みたいなリズムにもっぺん
生き抜く決心乗せ 生まれ変わる
俺は小林勝行
明日には芋引いとったけど
脈々と受け継がれる 負けじ魂
湯水の如く溢れる慈悲
出しっぱなし 普通やで
何遍倒されようが 何遍でも立つ
泥から芽を出す
永久不滅の蓮の花

躁鬱病と戦いながらヘッズの期待を裏切らない作品を作り続ける小林勝行が放つ”何遍倒されようが 何遍でも立つ”という言葉の重みや、彼を象徴する”泥から芽を出す 永久不滅の蓮の花”という言葉はとても感動的です。

 

▼Creepy Nutsが語る「小林勝行」

 

 

小林勝行のラップスタイル

身近な人間関係、そこで行われた会話が地続きにラップへ繋がっている小林勝行。

『HERE IS HAPPINESS』では “強制猥褻であいつ刑務所 「ええ!嘘!?」” と会話で韻を踏んでいて、生活・人間そのものがラップになっているのを感じます。

そんな小林勝行のラップスタイル、『ある種たとえば』では次元を上げていて、人の繋がりや会話を前世まで遡り、その時代ならではの人情まで表現の幅を広げています。

 

そして、小林勝行の特徴的なスタイルといえば仏教徒であることです。

『ある種たとえば』の大きなテーマは仏教の思想でいう「輪廻転生」です。また、「蓮の花」も仏教の信仰で重要な存在です。

このような仏教の信仰や思想を自分の感情と織り交ぜラップに落とし込んだ世界観に引き込まれます。

 

▼『ある種たとえば』収録

LIBRO / 招く人 

 

▼『ある種たとえば』Remix版 収録

小林勝行 / かっつん 

 

 

映像のサンプリング元

リリックの世界観とシンクロする映像のサンプリング元もセンス抜群です。

ドラえもん のび太の日本誕生 

 

神戸国際ギャング

 

竜二 

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