「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」において、Creepy Nutsのお二人が湘南乃風の「Rockin’ Wild」を紹介、ライミングの解説、メロディーセンスについて語りました。
以下、R-指定 → R DJ松永 → 松
ZEEBRA、湘南乃風の偉業
松:番組唯一の良心、R-指定さんの日本語ラップ紹介のコーナー参ります。
R:はい。日本語ラップといえど、夏曲かけようと思って俺ら夏といえばレゲエなんですよ。
レゲエで夏!こんなにも忙しい、疲れてる、この空気ぶっ飛ばしたい、元気になりたいから湘南乃風の『睡蓮花』
松:ふぉっ!!
R:と、思ったんですけど、
松:超いいじゃん睡蓮花
R:と、思ったんやけど、湘南乃風のもっと初期の曲をかけたいと思います。
松:あー、そうなんだ。
R:それは、俺らヤンキー漫画とか好きやん?不良系。
松:好き。
R:元々ね、俺がHIPHOP好きになったのもやっぱ不良の音楽というか、クロース見てるみたいな感じで曲聴けるからやったんすよ。
若者のイケてる音楽ってその世代の不良が聴くからイケてる音楽になってきたって歴史があると思ってて。
昔はロックがそうやったし。
松:確かに。
R:それがどんどんHIPHOPになってきて、そのヤンキーが聴く音楽はHIPHOPというものにした立役者はZEEBRAさんやと思うんすよ。
松:そうだね。
R:ZEEBRAさんが『Grateful Days』で
俺は東京生まれHIPHOP育ち
悪そな奴はだいたい友達
って言って地方とか各地のヤンキーがシンパシーを感じてHIPHOPがヤンキーの文化になったと。
で、その次にヤンキーの文化になったのはレゲエなんですよ。
そのレゲエをヤンキーの文化にした立役者が湘南乃風やと俺は思っていて。
その湘南乃風の1st、2ndアルバムがよりその位置付け ”レゲエでヤンキー” っていうのをバシっとはめたアルバムなんですよ。
2ndの「ラガパレード」ってアルバムの2曲目『Rockin’ Wild』って曲で、明らかに暴走族の暴走をレゲエの感じで歌ってるんですよ。
松:なるほど。
R:ZEEBRAさんはもうちょいヤンキーというボワっとしてたんすけど、湘南乃風はより暴走族でレゲエみたいなとこを植えつけたんですよ。
暴走族を連想
この『Rockin’ Wild』って曲ね、サビが凄いです。
ぶっ放せ ドでかいぶってぇ音ブリブリ
って完全ふかしながら走り回ってるんすよ。
ぶっ放せ ド派手なマシーン Riding が売り
ってマシンに乗るのが売りって言ってて。
湘南乃風の歌い手、ディージェイが4人いるじゃないですか。
松:はいはいはい。
R:まず、SHOCKEYEさんから始まるんすけど、むちゃくちゃ早口で一発目から畳み掛けるんすよ。
まず走る風の韋駄天から挨拶
合図も無くまだまだ増すスピード
これをめちゃくちゃ早いフロウで言います。
いかれたタコメーター 築く最速ヒストリー
ってこれも”走り”に掛けてるんすよ。
暴走族の”走り”と自分のレゲエの歌い方の”早口”と掛けてると思うんですよ。
その後に、あのボイスマジシャン HAN-KUN。
HAN-KUNさんも結構早いフロウで
Just like a 弾丸 湾岸線
ガンガン 目指すワンダーランド
ってむちゃくちゃ韻踏みながら畳み掛けるという。
松:はいはいはい。
R:これね、サビ終わった後の1Verseは、SHOCKEYEさんから始まって、HAN-KUNさん その次、若旦那さんなんですけど、これまで早いフロウできたのを急にゆっくりな若旦那さんのコブシでゆっくり歌うんすよ。
この拳が…
急に和風のヤンキーになってくると。
松:いいねー。
R:で、その後にRED RICEさんがしゃがれた声で
打倒エネミー完全燃焼だ 湘南…
って曲のサビに向けて早いのからゆっくりになっていって、暴走族のケツ持ちで旗持った厳つい奴来た..みたいな。
最初は特攻隊みたいに早く走って、後でゆっくりバァーっと旗持った2人が来るみたいなものを思い起こさせる感じでサビまでいっちゃうと。
この一発目で湘南乃風4人の歌い方、フロウのスキルの違いと、声とかキャラクターの特性を短い間に4発かますと、これで湘南乃風の自己紹介的な歌になっていて。
松:はーはーはー。
R:で、2Verse目ではね掛け合いでずっと歌うんですよ。
最後に明らかな暴走族ラインがあるんですけど、
Fire Fire 火花散らす Way
Fire Fire 自慢のマシーンで
って煽っていって最後に
風吹き新たな時代へ
って歌詞あるんですけど、これを完全にゴッドファーザーのメロディで歌います。
風吹き新たな時代へ〜♫ぶっ放せぇぇぇえ!!!
松:いいねー。
R:超アガる!
松:アガるねー。
R:ヤンキー漫画好きな奴からしたらアガる!
中学の時これ聴いて「むちゃくちゃヤンキーやん湘南乃風」ってなって、これ聴きながら肩いからせながら歩いた記憶ある。
松:アチいね。
R:『Rockin’ Wild』聴いて下さい。
ジャパレゲに育まれた世代
松:いやぁ俺らが10代の頃っていうのは、ジャパレゲに育まれた世代ですから。
R:そうなんですよ。さっきも湘南乃風紹介しましたけど、やっぱ湘南乃風の前からレゲエのヒット曲っていっぱいあったんですよ。
それこそ三木道三さんの「Life Time Respect」とかあったんですけど、やっぱ決定づけたのが湘南乃風さんの大ヒットなのかなと思いますね。
松:そうだよね。
あとやっぱり、お茶の間にも届くメジャーどころもそうなんですけど、俺ら高校生の多感な時期の心を非常にくすぐったがやっぱりKEN-Uの
松、R:DOKO!
松:CHEHONの
松、R:みどり!
松:なのよ!
R:そうなんすよね。
松:俺らこれが入ったMDをみんなで回して、、
R:そう!「HIPHOP」って書かれたやつにもそれ入ってたな。
松:「レゲエ」って書いてるやつにHIPHOP入ってたり。
R:ごちゃ混ぜやったやったから。
確かに俺も区別がよう分からんと聴いてたんですよね。
松:分かんなかったね。
R:FireBallとかも大好きで、めっちゃ影響受けて聴いてたんすけど、どこぐらいで分かったんかなー?
最初は区別つかずに両方聴いてましたね。
松:聴いてたよねー。
R:やっぱ地元の友達にもラップとかレゲエって知って欲しいやん。
松:そうだね。
R:で、勧めるやんか。その入り口がレゲエっていうのが多かったな。
ヤンキーとかお兄ちゃんおる友達とかは、やんちゃなお兄ちゃんの影響でレゲエとか聴いてるから、例えば湘南乃風のアルバムにMSC入ってるし(極東のCAMPION)、MSCのアルバムにも湘南乃風(For S)入ってたりするから「実はこんなんあるねん」って逆に勧めたりとか。
松:しかもレゲエはメロディが美しいから入りやすかっりするから。
R:そう。入りやすいんですよね。
松:しかも大阪は特にジャパレゲが盛り上がってる時期があったからね。
R:大阪はね、激戦区。レゲエ何処が激戦区かって言ったら横浜と大阪やったんすよ。
松:一番最初に盛り上がったのはやっぱ横浜レゲエ祭とかあったから横浜がとてつもなく異常な盛り上がりを見せたあと、大阪がグイグイグイッてきたんだよね。
R:それの横浜の立役者がMighty CrownさんとかFireBallさんとかになるんですけど。
松:日本のレゲエの神様みたいな人
R:大阪ででかい盛り上がりを見せたのが、大阪出身のCHEHONさんの大ヒットもあったし、横浜レゲエ祭にタメ張るような凄いイベント「HIGHEST MOUNTAIN(ハイエスト
で、大阪にはPUSHIMさんとか、RYO the SKYWALKERさんとか大阪も層が厚かったんですよ。
松:そうだ!RYO the SKYWALKERさん。
R:だから、レゲエで一花咲かすために上京じゃなくて大阪に移り住む人がおった時期があったんですよ。
松:それこそ、大阪で大活躍中のRAMHEADさんは北海道出身だけど、上京じゃなくて大阪に出てきたから。
R:ほんまに音楽興味ないヤンキーの先輩の車からレゲエ流れてましたから。
<書き起こし終わり>
▼「Rockin’ Wild」「極東のCAMPION」収録
▼「For S」収録
関連記事
その他の紹介は まとめ記事よりご覧になれます
Creepy Nutsのオールナイトニッポン0は毎週火曜日の深夜3:00より生放送