R-指定、飯間浩明「よふかしのうたEP」のリリックについて語る

TBSラジオ『ACTION』において、DJ松永さんとアシスタントの幸坂理加さん、ゲストのR-指定さんと飯間浩明さんが「よふかしのうたEP」のリリックについて語りました。

以下、R-指定 → R  DJ松永 → 松  飯間浩明 → 飯   幸坂理加→ 幸

 

R-指定、名前の由来とCreepy Nuts結成のキッカケ

 

:ここからはゲストACTION、今日のゲストは私の相方 日本一の!

R:くははは!お前な!

:はい、日本一。

:日本一のラッパーCreepy Nuts のR-指定さんです。よろしくお願いします。

R:よろしくお願いします。

:ここに相方を呼ぶなんて事はこっ恥ずかしいなにかがあるんですが。

昼のラジオなんでね、いろいろと幸坂さんの方から。

:そうですね、私の方から。

再三聞かれてると思うんですけど、「R-指定」というお名前の由来を教えて頂けますか?

:気になるところです。

R:確かに変な名前ですよね。

これは、中学生の時のノリです。思いつきです。

:思いつきで?

R:やっぱラッパーって変わった名前が多いんですよ。

それこそこの後にアト6やる宇多丸さんとかも正直ね、、

:正直、、変です。

R:変はないわ!変わった名前!

:いいんですか?大丈夫ですか?

R:”変”は深夜(ラジオ)、変わった名前。

:そうですね。

:かなり変わってます。

R:とかね、般若さんとかZeebraさんとかね、普通の歌手の方は自分の名前とかじゃないですか。

僕は中学生の時にラップ好きになって、かつ、大阪の南の方やったんで、ヤンキー文化も好きやったんですよ。僕は不良じゃないのに。

ヤンキー文化としては、「漢字」ってかっこいいんですよ。

だから俺は名前に漢字入れたかったんですよ。

:なるほど。

R:「般若」「宇多丸」「漢」みたいに漢字を入れたくて、「R-指定」って漢字と聞いたことある言葉、ちょっと危なそうな表現。

中学生心として「渋いなこれ。」って。

:中学生から変わってないんですか?

R:中学の時つけて、17〜18の時に恥ずかしくなったんですけど、それを変える方が恥ずかしいと思って。

:おー。

:おー。

R:最初、DJ 松永 をローマ字表記にしてたのに途中でそれが恥ずかしくなって漢字にしたどこかのDJとは大違いですよ。

:え、そういう経緯が?

:そうですよ。

R:小文字でね

:こっ(笑)

R:小文字、ローマ字「matsunaga」

:ローマ字 matsunaga なんですけど、ちょっと地元の友達にいじられるとコレと思って。

幸、R:(笑)

:だって同級生の松永邦彦が急に苗字の前にDJってアルファベット二文字つけて、松永をアルファベット表記にしたら、オレだったらあげ足取りまくるもんね。

R:あははは(笑)

:おい!DJ matsunaga!m・a・t・s・u・n・a・g・a!ってオレ学校で超言うもんね。

R:あははは(笑)

:リスクヘッジです。

:2人が結成するキッカケはどういう感じだったんですか?

R:18の時に大阪で同世代のDJ、ラッパーを集めるイベントがあって、そこで僕、大阪の友達
とイベント開いたんですけど、新潟から松永さん来て。

で、友達になって、友達の期間が4年ぐらい続いて、そっからなんとなくグループ組むみたいな感じで。

:へぇー。

R:別に劇的なアレとかないんですけど。

:そうそう。ぬるーっと組みましたね。

:その時Rさんは日本一だったんですか?

:まだ日本一じゃなかった。

R:じゃなかったか。

:じゃなかったかんですけど、高校生ながら大人の大会で優勝しまくってましたね。

:えぇー!!

:スーパー高校生!

R:まぁまぁまぁ、やらしい、やらしい。

:あははは!

:すみません。天才がいます。

R:誰がやねん!

:天才がね(笑)

:さっそく本題に入るんですが、HIPHOPというジャンルに対して、「敷居が高い」とか「どう聞いていいか分かんない」って思ってる方が、多いと思うんですよ。

R:はいはいはい。

:うん。

:だから今回はR-指定さんと、もう一人スペシャルなゲストをお呼びしました。

:はい。

RSpecial

Special

自称 編纂者で日本語学者でいらっしゃいます飯間浩明さんです。よろしくお願いします。

:よろしくお願いします。

:ご無沙汰しております。

:今回、二度目ましてですね。

:そうです、二度目の登場です。よろしくお願いします。

飯間さんはね、辞書を作る人なんです。

R:辞書!

:やっぱり、ラッパーR-指定がブチ上がってると思うんですよ。

R:私も言葉を扱う端くれですから、辞書作る人って、

:そう、基準を作ってる人。

R:そうなんですよ。

:飯間さんはね、デジカメを持って日々気になる言葉を探して街を歩いてるらしくて。

R:すごいですね。言葉フェチといか。

:そう本当に言葉フェチ。大晦日にはね、紅白歌合戦を見ながら歌詞を国語的に解説する飯間さんのツイートがね非常に話題を集めています。

:音楽性がないから、言葉だけを観察してTwitterに流してるんです。

:すごいですよね。普通の音楽ライターからは出てこない評だから斬新だし、「あ、そうなんだ!」って気づき。勉強になりますよ。

:ズレが面白いんでしょうね。

:すごい素敵なんですよ。

:この番組はACTION でその名の通り今までやらなかった事に挑戦したいというコンセプトなんですね。

今までHIPHOPに対して何となく抵抗があった人もCreepy  Nuts の「よふかしのうた」を聞いてみるというACTIONを起こしてみようというのが今日の趣旨です。

松永さんがこのACTIONでも再三べた褒めをしていましたが、R-指定さんの歌詞はとても深くて緻密ということで。

R:ふはは(笑)

:まぁあの、天才なんだよね。

:天才。

R:おいおいおい、そんなハードル上げてどうする?

そうでもなかったら飯間さんが聞いて。

:いやいやいやいや

R:凡やなぁと思われたらどうする?

:いやいや、すごく緻密で僕が読めてるのかなぁと、この理解でいいのかなぁって不安になりましたよ。

:えー、日本語のプロが!

今日は飯間さんと一緒に日本語ラップ「よふかしのうた」歌詞の世界観を読み解いていきたいと思います。

 

 

「板の上の魔物」リリックについて

 

さっそくですけど、「よふかしのうた」に収録されている6曲の中で気になる歌詞はありましたか?

:はい、タイトルが「よふかしのうた」ですから、この曲からいこうかと思ったんですけど、メモを取っていくと1番多かったは「板の上の魔物」だったんです。

これは漫才の2人をイメージしたラップなんですよね?

R:そうですね。

:だし、おふたりのステージの上での心境も掛けてあるということで。

R:まさしくその通りです。

:じゃあ、一旦聴いてもらいましょうか。

Creepy Nutsで「板の上の魔物」

(曲が流れる)

:お送りしたのはCreepy Nutsで「板の上の魔物」でした。

:飯間さんどんな所が気になりましたか?

:はい。色々あるんですけど、漫才をテーマにするだけあって「べしゃり」って言葉があったり、これ「しゃべり」をひっくり返した。

R:そうですね。これはドラマのOPで使って頂いてて、そのドラマが「べしゃり暮らし」って漫才を元にしたやつなんで、「しゃべり」を「べしゃり」って言うのもそうですし、漫画自体が漫才の漫画なんでそことも重ねてて。

:大阪が舞台なんですかね?

R:いや、舞台は東京なんですけど、当然大阪の芸人の方も出でくるで、京都の漫画コンビも出でくるので、それもあって「お気張りやす」とかもね。

:ちょっと関西風味だなぁと思ったとこがあって。

R:僕やっぱり大阪出身なんで、「べしゃり」の後に「ブリバリ」ってはいってるじゃないですか?

さっきもちょっと話したんですけど、関西人でありながらヤンキーも好きなんでヤンキー的な表現というか、めちゃくちゃとかバリバリみたいな、関西ではいき過ぎたのを「ブリバリ」って。

:あ、ブリバリって言うんだ。

:へぇー。

R:やんかね、活用が変わったといか、バリバリとか言うじゃないですか。

それの活用が変わってブリバリとか。

:「べしゃりブリバリ」って意味もなく付けてるのかなぁって思ったんですけど。

R:イメージ的には、べしゃるのにめちゃくちゃツッパってるぞっていう、頑張るぞみたいな。

:あーそうか。

R:ブリバリにべしゃるぞ とういう気合い入った感じです。

:読みが浅かったです。

一同:あははは(笑)

R:とんでもない。とんでもない。ヤンキー言葉なんで、知らなくていいんですよ。

:あの飯間さんが!

:読みが深いかどうかで言うと後の方でね、人名が出でくるんです。

俺の感受性ならば尾崎
世界観なら底なし
武、水谷、馬並みの相棒が助太刀

これなんだ?って始め思うんです。

尾崎?っていったら豊?豊だな、まぁ尾崎世界観さんもいらっしゃる。

世界観って歌詞も出でくるんですが、尾崎豊?武豊?水谷豊?なんで豊繋がりなんですか?

R:これは、その前の歌詞が「お前の人生はつまらねぇ」と、この板の上の魔物というのがお客さんの目やったり、世間の評価やったりするんですよ。

板の上に立つ我々にとっては、それが魔物で。

その魔物から「お前の人生つまらねぇ」とずっと言われてきたと思ってるんです。

それは人生が僕、いうても普通やなと思ってるんです。

ラッパーって結構、波乱万丈の人生があった人間の方がおもろい歌詞書けるとされてるんです。

それこそ不良とか、超エリートとか、金持ちとか、超貧乏とか。

僕、超平凡なんで、人生としてやっぱり、つまらないといか歌詞にしても普通にしかならないので、じゃあどこで勝負せなあかんのかってなったら、体験よりも、普通の体験をどう感じれるのかって感受性の豊かさが俺の武器なんかなってことで。

俺にしかない武器を磨いてきただけって言った後にそれは何かと?

俺の感受性は豊かや!ってそのまんま言うと恥ずかしいんで俺の感受性は尾崎や!

:あぁー!!

:そこ分かんなかったです。もしかして中学校の時に、尾崎豊にハマってたのかなぁとか、でも世代がどうなのかなぁとか。

R:当然好きではあるんですけど、感受性尾崎って言うことによって、感受性豊かって言葉は思い浮ぶかなぁと、その後、尾崎と言えば世界観も言葉遊びで出でくる。尾崎世界観さんが。

感受性豊かであるからこそ世界観は底なしになると。

で、武、水谷は完全に豊繋がりなんですけど、この武、水谷をどうするかと言ったら、”馬”並みの”相棒”が助太刀。

:ほぁーー!!

R:その相棒っていうのはこいつのことなんですよ。そこでちょっとスクラッチの音が入ってる、助太刀してくれてる。

:助太刀してます。

:ほぁーー!!すごい!!

:二重、三重の意味があるわけですね。

R:そう、2人の武器で戦っていくぞって。

:ねぇー。そんなに掛かってるんですか!

R:そうですね、これをみんなあんまり褒めてくれないんで、こうやってガッツリ褒めてくれて。

俺も嬉しくなって「そうなんですよ!」って自分で付け足しちゃって、恥ずかしげもなく。

:どんどん言ってこ!

俺この歌詞が上がって見た時、言葉掛かりすぎてゲェ吐きそうになりました。

R:あははは(笑)

:その二重、三重のイメージが迫ってくるからでしょうね。

:圧がすごかったです。

:それで言うと何でも言っちゃうんですけど。

さっきRさんに伺ったら、これ深い意味ないよって言われたんですけが、客の入りが、

客がパンパンでもスカスカでもブチカマスだけ

ってあって、これもパンパンでも、スカスカでも、なんか二重の意味のかなぁって思ったですね。

客がスカでも頑張るぞみたいな。

R:はいはいはい。

:そういうことってないです?

R:これは単純にお客さんな入ってても、入ってなくてもってぐらいの意味なんでけど、他でこういうことやってる分だけ、深く読み取って頂ける分に関しては大歓迎です。

:不必要に深くなっちゃったかもしれないけどこれも放送で言うのもアレなんですけど。

昔パンパンっていうちょっと悪い意味があったと、客にそういう人が居ても、スカな連中が居ても頑張るという風にもとれるなという。

R:確かにね。そっちの方がいいんで、そっちにします。

一同:(笑)

R:という風に、して頂いた深読みはドンドン取り入れていきます。

:新しい解釈で(笑)

:臨機応変の使い方がズルいですね。

 

 

「犬も食わない」リリックについて

 

:「犬も食わない」これも良かったなと思って。

R:ありがとうございます。

:これも一回聴きますか。Creepy Nutsで「犬も食わない」

(曲が流れる)

:お送りしたのはCreepy Nutsで「犬も食わない」でした。

:飯間さんどんな所が気になりましたか?

:まず犬の見立てが面白かったんですよ。

合わせ鏡で2つの犬がいるわけです。

一方は首輪をされた飼いならされた犬だと。

そっちの犬から見ると野良の犬はつまらない存在に見えると、ところが途中から視点が野良になって野良から見ると首輪付けてる犬はダメだと。

お互いが相手をディスってるみたいな構成になってて、その見方自体が犬も食わない。

これがまず表面上の構成だと思うんですよ。

ところが最後まで聴くと「人間みたいな事すな、恥ずかしい」っていう一言があって。

あ!これ犬じゃなくて人間じゃないかと。

R:はいはいはい。

:飼い慣らされてる犬かと思ったら、飼い慣らされてる人間というグループがあるわけだ。

一方で野良のグループがある。そういう世界ってなんだろな?政治の世界でもあるのかな?とかね。

考えると、、そういう事いろいろ含めてるんでしょ?

R:そうですね。こないだもインタビューで我慢できずに自分でネタ明かしみたいなのしたんですけど、ラッパーでもそうなんですよ。

:そうなんだ。

R:たとえば、僕らみたいにメジャーで事務所に入って活動してたりとか。

オーバーグラウンドでラジオとかテレビで活躍していると、アンダーグラウンドで、ストリートでやってる不良の人達からは、飼い慣らされてるみたいな言い方されることがある。

でも俺らからすると、そっちはそっちで、、みたいな言い分があるみたいな、ラッパーの中にもそういう対立があって。

全部そうやと思うんですけど。それこそ政治の中でも、芸能人とか、お笑いさんでもエリートとか野良、飼い慣らされてる、俺達はストリートでやってきてるとか。

そのマウントの取り合いというか、お前は温室育ち、俺は修羅場をくぐってきてるみたいなやり合いって人間でもあるじゃないですか。

でも犬も食わないって言葉自体が人間目線やなと思って。

:犬もバカにしてるんじゃないかって?

R:そうそう。犬も多分俺らの事同じようにアホみたいに思ってるでっていうのが最初の着想やったんで、

犬も同じように争う、人間みたいな争いをした後に「人間みたいな事すな、恥ずかしいで」って別の犬に止められる事によって、より人間が犬を下に見てるアレが、

:だからこれ「犬も食わない」だけど本当は「人も食わない」という意味が。

R:そうです!まさにそれです!嬉しいー

:よかったな!発売日にこんないいプロモーション出来たな!

R:よかったー!

:対立させる視点が面白いのと、あとは一つ一つの単語も気になるんですよ。

たとえば「体やから体…」っていう言い方は何ですか?芸人用語?

R:「そういう体で」よく言いますよね。フリというか。

1番目が飼い犬の視点なんですけど、飼い犬が道端で野良とすれ違った時に吠えついて、野良犬が本気で嚙みつこうとした時に、
「まぁまぁまぁ、こういう体やから、犬はアホぐらいの方が可愛いやろ?」みたいな事を飼い犬は思ってると。

人間のコントロールを犬がしてるみたいな、結構コントロールした気になってる側の犬なんですよ飼い犬は。

1番目の歌詞で言うと、飼い主の方が犬に散歩に連れて行ってもらってる感じというか。

:そっか、そこにも2つの視点があるわけですね。

R:そうです。犬が喧嘩して「うちの子しょうがないわねぇー」って言わせてあげてる犬なんです。

:人間が犬を散歩に連れて行ってあげてるって視点と、犬が人間に連れられて行ってやってるんだという視点があるんだ。

R:犬も付き合ってあげてるんですよね。

:だから野良に吠えかかるのもそういうつもりでやってよ?と。

R:こういうアホ犬の方が飼い主さんは可愛いから、いいねんこんぐらいの方がみたいな。

こういう事を思ってる犬なんです。

:あぁー。

:ドラマで、こういう体でやって下さい。驚いた体で振り向いて下さい。そういう言い方をするなぁと。

R:そうですね。

:僕、あんまりそこを注意してなかったんで、そうか体って使い方あるよね。

そういう体やから…って日時生活でも使えるな。

R:そうですね(笑)

:もう一つね、「人を呪わば穴二つ」ってことわざですよね?

人の墓を掘る時は自分の墓も掘らないとダメですよって、自分に返ってくるよってこと。

R:そうですね。

:そして「人を笑わば節穴二つ」っていうのがあって、これはちょっと調べても分からなかったですね。

R:これは完全に造った言葉ですね。

人を呪わば穴二つって言葉があるから、自分でも造語つくろうみたいな。

犬も食わないっていう、お互いマウント取り合って戦う世の中をコント番組にしたのが元の番組「犬も食わない」なんで。

人を笑うって事は自分も笑われてるし、人を笑って見透かした気になってる自分の目は節穴やってことで、相手もそういう風に見てるって事は節穴が二つ。

:なるほど、節穴は目が節穴か。

R:自分の目が節穴ってことです。

:人を笑ってると、あなたの目が節穴だと。

深いなー。特に意味ないのかなぁと思ったら、ありました。

R:ありがとうございます(笑)

:いいですねー。こんな気づいてもらえて。

R:これねー、嬉しい。

 

 

アルバムに頻出「ワナビー」について

 

:あと一つだけ、「ワナビー」って言葉がですね、今回のミニアルバムの3曲に出てくるんですね。

「よふかしのうた」ではね、「俺は何も知らねワナビー」

「板の上の魔物」ではですね、えー

R:「いつかのワナビーが周りみれば天才に鬼才」

:すぐRさん出てきますね、流石です。

R:いやいや、自分で書いたやつなんで(笑)

:それから「生業」にも出てきますよね。「よく言われたワナビー 所詮小手先」

R:出てきますね。

 


 


 

:あっちこっちにワナビーが出てくる。

もちろんこれ「Want to be」のことだとおもいますけど。

R:そうですね。これ元々はHIPHOPの用語というか、英語で普通にある表現らしくて。

ラッパー的にいうと、駆け出しのラッパーとか、なりたがりのラッパーというか、まだひよっこという感じで使われるんすよね。

:俺はこういう風になるんだよみたいな?

R:そうです、本物になりたがってるっていう意味合いがあって。

HIPHOPの中の用語でもだいぶ古めというか、ほぼ死語。

あんまみんな使わないんですよ。昔は結構、ダメなラッパーを言う時に「お前はワナビー」とか言ったんですけど。

:お前口だけだよって感じで?

R:そうなんですけど、今は使わない。

僕が歌詞の中で言ってるワナビーは過去の自分の事をワナビーとして表現してるんですね。

やっぱほんまに自分はそうやったんで、なりたがりやったんで。

:生業のところで、昔よく言われたんだと。

R:ワナビーだと、所詮は小手先やと。

そういう自覚もやっぱりあったんで、でも今は自信がついたんでワナビーと自分の事言えるというかね。

かつての、いつかのワナビーと言えるというのはあります。

:昔ワナビーだったけど、今はそうじゃないぞと。

R:そうですね。でもね、今もそういう所あるんですけどね。

昔は悪い言葉で使われてたんですけど、俺は結構、ワナビーって響きもいいし、悪い言葉じゃないなと、なりたがってるんですから。

:Want to beですからね。

R:向上心がある奴ってことなんで、今だにワナビーなんやろなって思います。

もっと上手くなりたいし、もっといいラッパーになりたいという意味で。

:こうなるんだって口に出さないとその通りにならない事ですよね。

R:よふかしのうたでも生業でもあの時の俺が
ワナビーでいてくれなかったら、今にはなれなかったわけなんで、すごい いい事やなと思います。

:ワナビーが今のおふたりを作ったと。

R:そうですね。

:誰しもが通る道ですから。

R:ほんまにワナビーやったから頑張って、僕も坊主でNEW ERAかぶったり、でっかい服着たり、なんとかラッパーの形に近づこうとした結果、全然今は違う風貌になりましたけど、ラップの方はあの日思ってたよりも上手くなれた。

:ワナビー大事な言葉ですね。

R:ワナビーは結構、実は大事な精神というか。

:でもそれが今使われない、古くなったというのはどういうことなんですか?

R:HIPHOPの中の言葉ってほんまに流行り廃りのサイクルが早いんですね。

昔とかやったら、ここに参上したぜってラッパーが言う時、例えばR-指定参上って言いたい時は

「R-指定  In Da House」

って言ってたんですけど、それが

「R-指定 In Da Building」

に変わって、今はあれなんなんやろな?

:今はそれあんま言わない。そういう言い回しすらない。

R:決めゼリフとか最近はなくなって、逆に最近は合いの手がどんどん進化していってるんすよ。

昔はYoとかHeyとかしかなかったのに、今は「Skirt! Skirt!」とか車の急発進やっけ?

:「Skirt! Skirt!」の急発進の音だったり、あとは「squad」仲間って意味だったり。同じような言葉で2つ意味があって。

R:あとは自分が凄いって誇張する「Boasting」を「Swag」って言ってみたりとか、「bling-bling」が「Swag」に変わって、「Swag」が今は「Flex」か。

:若干ニュアンスは違うんですけどね。

R:言葉もちょっとづつ進化したり、合いの手が変わってたり。

:どんどん言葉が大きくなるのかな?

R:そうですね。色々変わっていくんですよ。

:そうなんですよ。

:へぇー。

:面白いですね。

:ということで、そろそろお時間が。

なんかもう、ぶち抜きでやりたいですねー。

また、飯間さんとRさんのセットは見たいですね。

R:ちょっと新曲できるたびに呼んでほしい。

:是非、また呼んで下さい。(笑)

:本当だよ!プロモーションと飯間さんセットで(笑)

<書き起こし終わり>

 

「よふかしのうた」収録  💿  

 

 

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