T-STONEとレジェンドラッパー達

T-STONEの傑作アルバム『Type 1 Diabetes』は、彼の唯一無二のオリジナリティから新しいHIPHOPの形を感じます。

しかし、リリックの端々からはレジェンドラッパー達へのリスペクトや影響も感じ取ることができます。

この記事ではアルバム『Type 1 Diabetes』からT-STONEとレジェンドラッパーとの繋がりを考察します。

Zeebra

『Don DaDa』でZeebraを客演に迎えたT-STONE。

曲中でZeebraのことを親父と思っていると言うほど、かなりZeebraを慕っていることが分かります。

「Don DaDa」とは(一番のボス、大親分)という意味で、『GRATEFUL DAYS』でのZeebraのヴァースには “そこらじゅうで幅をきかすDON DADA” というリリックがあります。


『DonDaDa』のビートはZeebra『結婚の理想と現実』をトレンドのドリルビートに再構築しています。(プロデューサーはDJ Watarai)

この曲からT-STONEとZeebraは、幼少期の境遇が似ていたことが分かります。

ガキの頃の俺ん家は
母子家庭で一人っ子だった

ガキの頃の俺んちは母子家庭
嫌なことだってあったぜ少しだけ

Zeebra / 結婚の理想と現実


Zeebraのヴァースは『結婚の理想と現実 Pt.2』と言える内容で、自身の半生を曲で更新しています。

このデリケートな話題とトレンドのビートを用意してZeebraにラップしてもらうT-STONEの力量恐るべし。

そしてZeebraの器のデカさも流石Don DaDaと言えます。

そして、Hookは『結婚の理想と現実』と『人間発電所』を合わせたようなリリックになっています。

上向こう 上向こう
上向こう 上向こう
上向こう 上向こう
Hiphop dreams 天まで飛ばそう

『結婚の理想と現実』はT-STONEがラップを始めるきっかけになるほど衝撃を与えたようです。

SIMON

『For Real (feat. Fuji Taito & SIMON)』では若くから第一線で活躍するラッパーSIMONと共演しています。


こちらの記事でも紹介しましたが、この曲でSIMONはガチガチに固いライムを披露しています。

MACCHO

『For Real (feat. Fuji Taito & SIMON)』のHookでは、超有名なMACCHOのパンチラインを引用しています。

For Real Bro. For Real Bro
どの口が何を言うかが重要

リリックの中身は自分の分身
どの口が何言うかが肝心

MACCHO,NORIKIYO,般若&DABO / Beats&Rhyme


ラッパ我リヤ

そして、MVのサムネ画像は映画『Do the right thing』のオマージュ、またはそれをオマージュしたラッパ我リヤ『Do the GARIYA thing』のオマージュであり、ここでもレジェンドラッパーとの繋がりを感じます。

 

AK-69、ANARCHY


『Intro ~Famous and Rich~』ではAK-69のリリック引用やANARCHYのネームドロップがあります。

ANARCHYのネームドロップ

ANARCHYのLive初めて見た日
溢れ出てくる涙流し
まるで映画のOne scene
地べたから来た私

AK-69リリック引用

徳島をRepし、全国へ名を轟かすT-STONEにピッタリのリリックです。

地方馬が制すDerby
明らかに違うだろ他と毛並み

地方馬がダービーを制す

AK-69 / IRON HORSE -No Mark-


最後に

T-STONEのアルバム『Type 1 Diabetes』には、Zeebra、SIMON、ラッパ我リヤ、MACCHO、AK-69、ANARCHY、ブッタブランドなどのレジェンドラッパーとの繋がりを見ることができた。

独特のセンスとユーモアから成るオリジナリティで、常にHIPHOPの新たな形を提示しているT-STONEがだ、リリックを深掘りするとレジェンド達へのリスペクトに溢れ、ルーツを重んじる礼儀正しさも感じ取れました。

 

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