THA BLUE HERB『ONCE UPON A LAIF IN SAPPORO』韻考察

東京勢を中心に日本語ラップのスタンダードまで定着させた、体言止めや倒置法を使って脚韻を主としたスタイル。

その主流スタイルのカウンターとしてBOSSのライムは脚韻にこだわらず小節の頭や真ん中に散りばめられている。

脚韻での区切りがないため、言葉が次々と脳内に流れ込んでくる。(韻による聴き心地良さを維持したまま)

真空状態にトバす大脳内
コトバで埋め尽くされた気分はどうだ

というリリックは正にBOSSのスタイルを言い表している。


北から日が昇ることに
慣れてないオマエたちは
オレたちの存在そのものに
戸惑っているんだろう
SAPPORO THA BLUE HERB

狙いは一つロングセラー
アウトロー・B.Hステ
B.Oイエローバス
W.Sストーリーテラー
パラマウントファクトリーは
勝負に出た 火は捨てな
街中はりめぐらしたステッカー
制圧する北からの音やコトバ
りなくオレたちの
わりにふれるな
一枚ずつあるいは
一度ずつはずさない 以外
残された勝ち上がる道は
一睡もせず急き立てられあくまで
常にひと吸い目はセキが出るまで
一寸も狂わずに狂う
例の輪から 湧き出た閃きをすする
今もスクープを欲しがってる
オレのクルーのために
ただ寡黙に進行形で歴史を作る
正体不明 ここに二枚のジョーカー
二枚組みの一個小隊をシーンに持ち込む
真空状態にトバす大脳内
コトバで埋め尽くされた気分どうだ
商売上の勝ち が力証明
策を練り牛耳ってみせる4丁目
去年のじゃなく証言の続きが聞きたい
TOKYOへの 用件はわずかそれぐらい
この街の今日が気付けば暗くなってる
何人もの男達がたくらんでる
音を立てて満ちていくペットボトル
NY ブリストル並にオレたちはトぶ
北風が通るワームホール 36 
と分離 繰り返すBODYとSOUL
月 あの頃も同じように
よく霧が出てた
ふとBIG MIKE TYSONを想ってた
答えは未だ一つだってつながらない
ぼんやりとまるでノーバディ
セリフみたいに
粒子程の今がこうしてる
今も止まらない
今にも止まってしまうハイスピードで
ひと目でも人であることを感じとれ
きとれ
たった一人で孤独を手なずけ
この素晴らしき人生が全てだとか
無限だとか言う理論は役に立たない
この時を捧げる ひざをつき
オレの 欲望 明日があることに

なおも動き続ける心臓
それを包み込む筋肉
その奥の深層心理がある限り
よりも先に
燃えたぎたびに まず
オマエはオマエの存在自を祝うがいい
色とりどり光る文字の配列
見栄と建前の大切さの上で
最前列へつながる隊列長く
オレは入れずにただ遠巻きに
難攻不 梁山 SAPPORO
2番街の東外れにたまるスカーフェイス
DEEP SPACE
身を浸し競うカーチェイス
学んだ機先を制すものが勝者だと
カフェデルマのオーダーを信用して待つ
12インチタンブラ
注ぎ込んだストリングス
ストーリーずつ一瞬ひねり出すスラング
数多く見過ごしてきた
チェッカーフラッグ
揺らぐことない基礎に何年も費やす
スランプ口にする
クラブラッパーとは違う
神がいやそれに限らす取り囲む全てが
ここに取引を持ちかけてくる
月曜の夜いつものターミナル
血と汗の引き換えはいつものスタミナ
悟る知恵はやがて帷子
知らぬ間に深く打ち込んだ青の楔は
決してバリア
クチンも通じないラリア
キャリアにする前に学びな
ゴシップをIQでいつも透視する
苦し紛れに女は
オレに自意識過剰とか言う
どうやら幸運なことに
この時代もウデ次第らしい
さらに秋が近い を生み
予想もしない誰かに出会うため
皿に滅びの克服を託す
この素晴らしき人生が全てだとか
無限だとか言う理論は役に立たない
オレもオマエも誰も死ぬために生きる
もうずっと
オレは終わらせるためにここにいる

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