ULTRA NANIWATIC MC’S『ちゅうこっちゃ』韻考察

SHINGO★西成、MISTA O.K.I、446、YOSHI、DJ FUKUからなるULTRA NANIWATIC MC’Sの新曲『ちゅうこっちゃ』の韻考察記事です。

2022年7月に16年振りの新曲『あいかわらず』で完全復活を遂げたULTRA NANIWATIC MC’S、今作は復活後2作目のシングルとなり2022年11月23日にリリースされた。

韻考察

[MISTA O.K.I]
まいど!人生迷子 728 の愛情でパワーは倍増
直球担当バイブスアツアツナニワの特攻隊長
朝からガツガツメシ食うもちろん
お通じバリバリ快調!起きろ!
健康第一身体が資本や危険!
平和ボケも大概にしとけ!
苛立ち隠せず噛み付くリーマン!
二足の草鞋でも振り切るメーター
エエかよー聞いとけおい!ヘイター!
自分の言葉に責任持たんか
隠れてコソコソいっちゃん要らんわ
カッコわるーても正々堂々胸張って
踏ん張って生きとんねん
そんな奴等が集合やちゅーこっちゃ

MISTA O.K.Iの韻は、リリックの “直球担当” を現すように実直に固い脚韻を踏んでいます。

ナニワならではの人情を感じられるヴァースです。

[SHINGO★西成]
この際やから言うとくわ
オレは、なっこの顔やから努力もした
もう負けたくないから苦労した
ラクをしたら奈落の下。覚悟しや!
縦ノリなオッちゃん丸腰や!
誰も知らん。ガン無視。ライブした
ラップゴリラ危ないなあ!熱盛りや!
O.K.I とオレは顔がファクトリーブランド
アホとケムリは高く飛びや!
YO!728 やで!全員集合や!
ブッ飛んだ押韻フルコンタクト
おりこうさん!728 の鶴光さん!
YOSHI!器のデカさは「つるとんたん!」
振り込んだ、UFJ。踏ん張れ!
好き嫌いすな!喰えるモン喰うたれ!
オレが「ダメだ、こりゃ」って言うまで
「次、いってみよう」ちゅうこっちゃ!

MISTA O.K.I のヴァースから韻を引き継いで始まるSHINGO★西成のヴァースはタイトル「ちゅうこっちゃ」の韻「つるとんたん」や「鶴光さん」とナニワ感万歳の言葉で踏んでいます。

“ラクをしたら奈落の下。覚悟しや!” は無駄が無く意味も通った美しい韻です。

[HOOK]
ここまで来たら何でもあり(あり)
納得いくまでやり切るしかない(ない)
これだけやったら後悔はない(ない)
せっかくの命今、楽しみたい(たい)

[YOSHI]
Who is Back?Who is Back?
728のご帰還やでまた皆首振らす
個性と個性灯せ落とせ
ここで残せどっこいせいな余生
交わる 4 本のMIC 王道のライン
ドンドン TRY するで怒涛の LIVE
無駄がほどんど無い揺らす古今東西
人生 5 回裏や炎の回
やると決めたらやる根性も倍
社会とのズレならばどうしようもない
必要「経験と度胸と愛」
スキルは度が過ぎるで高濃度 RHYME
お嬢ちゃんぎょうさん乗車
ノラスどうや? 硬いのは正義まるで軍用車
ナニワのドンファン言葉尻ウォッチャー
ヒゲのおっちゃん韻巧者ちゅうこっちゃ!

YOSHIヴァースはリリックにある通り”無駄がほとんど無い” 韻でギチギチの内容になっています。

“ナニワのドンファン” の名に恥じない数々の韻を使いこなしています。

韻の固さの比喩として「公務員」や「あずきバー」が使われてきましたが、今回新たに「軍用車」が出てきました（固くて重そう）

2022-02-05 韻の固さはいわゆる…◯◯◯

“人生 5 回裏や炎の回” は西浦達雄の『炎の五回裏のテーマ』からの引用だと思われます。

甲子園球場で阪神戦を観戦する時によく耳にする楽曲で、ナニワ感溢れる引用です。

【楽曲情報】

ULTRA NANIWATIC MC’S『ちゅうこっちゃ』

2022年11月23日各配信サイトにて配信開始
https://linkco.re/S6PCcFgT?lang=ja　　　　　　　　　　　　

Produced by ULTRA NANIWATIC MC’S
Lyrics:SHINGO★西成、YOSHI、MISTA O.K.I
Music:DJ FUKU
Recorded by DJ FUKU(728stream studio)
Mixed by Ryosuke Maekawa(serow lab.)

ULTRA NANIWATIC MC’S プロフィール

周知のことだと思うが、「ULTRA NANIWATIC MC’S」のグループ名は「Ultramagnetic MC’s」からきており、DJ FUKUのポーズにはジャケットオマージュを感じさせる。

以下、728レコードinfo

2005年頃に関西から全国へ名を馳せた「SHINGO★西成」、大阪発パワフルなRAPで活動中だったWORD SWINGAZの「MISTA O.K.I」、Reggae界きっての風雲児「446」、餓鬼レンジャーの一員として活躍中だった「YOSHI」、DJ PLAYで観る者を魅了し続けていた「DJ FUKU」で結成。

濃すぎるキャラクター奇跡の集合体と当時HIPHOPシーンを席巻。

2006年にVOLLACHEST RECORDZより1st ALBUM「THE FIRST」をリリース。

男臭さの中にも笑いアリ涙アリな楽曲で構成されたALBUMにはKICK THE CAN CREWの「LITTLE」、盟友「ポチョムキン」、実力派シンガー「ahhco(Heartbeat)」TRACKはDJ FUKUを中心に餓鬼レンジャーでお馴染みの「DJ GP＆DJ HIGH SWITCHI」、ファンクネスなBEATに定評のある「DJ MO-RIKI」、大阪が生んだ奇才「EVISBEATS」、骨太HIPHOPの「DJ AK」が支え、全20曲のボリュームも話題に。