ストーリーテリングでも踏みまくり!!!ZONE THE DARKNESS『雨、花、絵描き。』韻考察

ZONE THE DARKNESS『雨、花、絵描き。』の韻を考察しました。

ZORN名義になってからはみられないストーリーテリング作品です。

ストーリーとしても面白く、韻もかなり固い楽曲になっています。


 

目に見えない世界描きたい 絵描きがいた。
誰かに届けばいい、それが願いだった。
狭い部屋の片隅に 山積みキャンバス
辺りには画材乱雑に散乱する。
時を忘れ夜通し 没頭し
寝る間も惜し筆を取る
胸の奥、冷めない夢を追う
来る日も来る日もまた色を足して
吹雪の冬にも情熱を燃やして
想像する100年後の未来
自分はもういない
だがどの時代滅びない傑作を残したい­。
いつか見た風景夕べ見た流星
伝えきれない 世界をあなたにも見せたい
流行風潮も気にせずに空想し、
薄暗く錆付く部屋、夢中で描き続けた
人々は彼の絵を無言で眺めながら
こんな絵は見たことない、そう鼻で笑った

変わらず金にはならなかった
朝から晩、働いても収入はささやかだ
仕事帰りくたくたな体、貧しさの真っ只中
支えるのはがむしゃらな 若さだ
ポツリ、ポツリ、然雨が降り出す。
おい嘘だろまさか、彼は傘が なかった
花屋の店先で雨宿りしていると傘が差し出された、
それが彼女との出会いだ。
気高い百合のように雰囲気は優美で、
なぜか懐かしいような甘い香りがした。
もしよければどうぞ、ハッと我に返り 焦りだし、
声に応じた。彼は恋に落ちた
翌日、仕事帰り花屋に立ち寄った。
よければと傘の礼花の絵を渡すと、
彼女は彼の絵を無言で眺めながら、
こんな絵は見たことない、キレイねと笑った。

二人は手を繋ぎ合い共に暮らし出した。
片隅山積みのキャンバスは片付き
薄暗い部屋中に光が降り注ぐ
まん丸い月の夜、風が透き通る
窓辺には日替わりで花が飾られた。
ささやか だが 鮮やかで心が和らいだ
ささいなさかいや仲違いやわだかまりもあったが
どんな時も傍らにはあなたがいた
絵描きは変わらずにキャンバスと向き合った
彼女はそれを眺めるのが好きだった
やはり貧しかったが互い支え合い
買えないかけ がえのないを育てた。
月に控えていた彼女の誕生日
喜ばせる段取り何通り考えた。
だ、さえあれば。思い悩んだ末、
流行風潮に合わせた絵を描いた。
それを街に売りに行くと飛ぶように売れた。
あっという間に評判となり称賛を浴びた。
個展を開かないかという相談まであった。
冗談だろこの俺が?だがは浮かれた。
もう少しで楽に、その一心必死に、
無遅刻の仕事をやめ作品に打ち込むと、
会話の減った二人はすれ違う
寂しさを胸に抱く彼女は声を殺しむせび泣く

そして彼女の誕生日と重なって絵描きの個展は大々的に開催された。

こんな絵は見たことない、人々は称えた。
これから先も期待しているともてはやされた。
帰り道、とても高価な宝石を買った。
これなら上出来だ、喜ぶ顔が浮かんだ。
部屋のドアを明けると彼女はいなかった。
置き手紙に一言、
こんな絵は見たくない。

どれくらい時間が過ぎ去ったろう、
もう何も感じない。
心には空洞が空き流行は去り風潮は変わり
こんな絵には飽きたと、
称えていた人々­も離れていき廃れた。
散らかった部屋、閉めきった窓、
あなたが    傍ら飾った 鮮やかな 花は枯れた。
ただ重ねた無意味月日、失意のどん底、
何もかもを失ったが一つだけ残っていた。
孤独な筆を取る
灯る ロウソク細く
薄暗く錆付く部屋、夢中で描き続けた
想像する100年後の未来
僕等はもういない
だがどの時代滅びない傑作を残したい­。
傘を貸してくれた雨の日を覚えていますか?
くだらない些細ないさかいを覚えていますか­?
金になんてならなくていい、
絵描きが描いた絵は題名にあなたの名を付けた花だった。

数年後、絵描きは小さな個展を開いた。
時計を見たらもう遅い、
今日も誰も来なかった。
裕福でも窮屈でもなかったが、
こんな雨の日はなぜかいつも憂鬱だ。
十分さ、これでいい。
自らに言い聞かし、
片付けをしていると急にドアが開いた。
こんな絵は見たことない、キレイね。
なぜか懐かしいような甘い香りがした。

 

『ロンリー論理』  

 

 

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