小林勝行『108 bars』の天才的な情景描写


 

『蓮の花』『絶対いける』『HERE IS HAPPINESS』『ちょけんねん』『商売繁盛』など強烈な名曲を残し、シーンから一時姿を消した神戸薔薇尻が満を持して「小林勝行」名義で発表した1stアルバムの1曲目です。

彼のアルバムを待ち望んでいた私は、即アルバムを買い、『108 bars』を聴いた瞬間、ぶちのめされました。

約9分の大作で、「神戸薔薇尻健在!!!」という感じでした。

ちなみに、CHICO CARLITOはこの曲に衝撃を受けてラップにのめり込んでいったそうです。

 

 

『108 bars』は、17歳からの日々が次々と展開されていくという”小林勝行史”のような曲です。

その一場面ごとに会話を使った情景描写が秀逸で彼の人生にどんどん引き込まれていきます。

加えて重たいドラムが鳴るタイミングが更に情景を喚起させています。

クラの誘いでクラブへ 分厚い扉自ら開く“このタイミングでドラムが鳴ると、クラブ内の音が扉を開けた瞬間溢れて来る状況をイメージしますし、”人は誰しも子宮から出る 10月10日で自由を奏でる“このタイミングで鳴ると胎動や生命の始まりの心臓音を連想できます。

病院内小走り サンダルに半ズボン 親父の肺に癌腫瘍“ここで鳴り出すドラムは、焦りや悲しみの心臓音をイメージできます。

 

小林勝行のラップは喋り言葉そのものがラップであり、方言と訛りがより気持ちいグルーヴを生んでいます。

その喋り言葉に気持ちが乗っているため、より話に引き込まれてしまいます。

このような日常会話そのものがラップになっているラッパーはILL-BOSSTINOやSHINGO★西成、漢 a.k.a.GAMIなどが挙げられると思います。

 

最後に『108 bars』という曲は、喚起される情景により小林勝行という人生を共有でき、浸れる名曲です。

 

小林勝行 / 神戸薔薇尻  

 

 

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