2017.05.27 DJ KRUSH『軌跡』のリリースパーティーが渋谷VISIONで行われ、そこで『証言』のトラックに乗せRINO LATINA II, OMSB, チプルソ, 呂布カルマ, Meiso, 志人のフリースタイルが行われました。
その志人のフリースタイルが素晴らしかったので書き起こしました。
このフリースタイルから、異次元な世界観を作り上げる志人の制作の一端を伺うことが出来ます。
若きMC達に告ぐ
お前さんがリリックを書いてる
そのスマートフォンなんかが
決してスマートでもなんでもねぇ
先ずは鉛筆に握り変えろ
思考を変えろ 思考を変えろ 思考回路
そしてもう一度思い出せよ
鉛筆に握り変えろ
鉛筆は木からできている
鉛筆の中心部分にはgraphite 黒鉛というものが眠っている
それは電気伝導体だ
俺たちの心や体には電気が必ず眠っているんだ
それを白紙の(恐怖に?)
今だけをしたため
今だけをしたためろ
泣きっ面でもいいから書き連ねろ
このフリースタイルを連想させる楽曲があり、アルバム『Zymolytic Human ~発酵人間~』に収録される『遺稿 改 生こう ~ 腐敗地獄・陰 ~』という曲に以下のリリックがあります。
孤独など飽きる程に経験したというのに
それでも尚、愛する唯一の恋人を持たずに
懲りずに鉛筆を削っては丸くなり
丸くなれば尖らせて
誰も見ぬ 誰も聞かぬ我が失望を
泣きっ面で書き連ねているのだろうか?
『Zymolytic Human ~発酵人間~』は詩とラップのバランスがよく、聴きやすくパンチラインだらけの名盤なのでおすすめです。
一時売り切れ状態でしたが、再販Verとして『醗酵人間』が出ています。
DJ KRASHだからこそ集められたこのメンツ。
『軌跡』はキャリア初のラップアルバムで、1曲1曲が濃厚で詩的、多様な世界観を創り出しています。
そんなメンツがフリースタイルをさせてもこれだけレベルが高いことが奇跡的です。
(リリースパーティーには不参加でしたがR-指定がいたら更に凄かったかも)
証言のトラックで志人といえば、100枚限定で配られたアナログシングル『暴言』があります。
(『暴言』はその後、DEV LARGE監修のコンピレーションアルバム『HARD TO THE CORE version1』に収録されました。)
RINOと志人、証言と暴言で繋がったこの日のフリースタイルはかなり胸熱です。