「Creepy Nutsのオールナイトニッポン0」において、Creepy Nutsのお二人がマボロシ『泥棒』を紹介しました。
以下、R-指定 → R DJ松永 → 松
HIPHOPのサンプリング文化
R：先週ね、冒頭でかけたかった曲がかけられなかったじゃないですか、俺らがしゃべりすぎて。
松：恥ずかしい。
R：恥ずかしいね（笑）
で、先週かけると言っていた曲がマボロシというグループ、Mummy-Dさんと竹内朋康さんのユニット。
RHYMESTERのMummy-Dさんがラップで、SUPER BUTTER DOGの竹内朋康さんがギターで、この2人組のヒップホップユニット、マボロシの『泥棒』という曲をかけようと言っていたんですよ。
なぜかというと、この「泥棒」というHIPHOPのアートフォーム自体がサンプリング文化。
元々あった昔のレアグルーヴとかファンクとかディスコとかロックの曲からフレーズを持ってきてビートを作るという。
作曲方法も、元々のパーティーの出来上がりもサンプリング文化やったり、表現悪く言うと「泥棒」という表現で
松：なんでもかんでも引用元があるのがHIPHOPなんですよ。
R：そうなんですよ、引用文化なんですよ。
だからそういうことを自虐的かつかっこよく歌ったいるのがこのマボロシの『泥棒』という曲で。
Mummy-Dさんは自分でトラックも作りはるんすよね。
で、そのトラックを作る時の表現というものがこの曲には出てきて。
始まりから
ガキの頃からファンキーなブレイクビーツが
日、三度のメシよりテイスティー
だったもんでたまった塩ビ盤
まさしく俺の全資産
っていう。これ、レコードのことを「塩ビ盤」とね。
松：素材のことですよ、塩化ビニール。
R：で、その後に
ならそれいただこうぜ Gimme The ギターリフ
It’s crime time だエブリバディ
このサンプリングをする工程を “ならそれいただこうぜ Gimme The ギターリフ” って言って、「ギターリフをサンプリングしちゃおう」って言っている。
“It’s crime time” 「犯罪の時間だぜ」って言った後に、他の人物という設定で
ノウ！アナタガタ法ヲ犯シテマス！
なんの何でも食べ消化して出す
っていう。これはHIPHOPの特性を現わしています。
いろんなジャンルの音楽を食べて消化して出すっていう。
俺は便秘を知らないミュージシャン
リアルシットぶちまけるフーリガン
松：うーん。
R：この “シット” HIPHOPの中では「曲」っていう意味もあります。
さっきの “何でも食べ消化して出す” っていうことで、排泄物のことも「シット」って言いますよね。ここもかかってると。
さあ 始まるぜマボロシの自由時間
っていう。こんな完璧な1バースから始まる。
松：この1バース目、完璧じゃない？100点すぎるんだけど。
R：この曲ね、この後もずっと完璧なのよ。
松：なにこれ。
R：たとえ方、音楽をサンプリングすることを「泥棒」とたとえるその完璧な例えと、最後は「心を奪う」そっちの方にも行くという。
松：掛けてるのよ。
これ最高なんですよ！！！
ちょっとまずはこれを聞いてもらいましょう。Mummy-Dさんのラップもキレキレやし、竹内さんのまさしくギターリフも超かっこいい！
松：くぅー！！！
マボロシで『泥棒』をお聴き下さい。
完璧な曲でございます。
R：最高でございます！
松：最高すぎ！
R：完璧な曲です。
松：この曲ね、完璧だよね！
R：これね、サビも最高でしたね。
“俺の仕事は泥棒 音楽遺産泥棒” これ、レコードとかから音楽遺産を泥棒しているっていう。
“耳泥棒 不埒な泥棒“とかもいいし。
“電気的信号泥棒” “波形泥棒” この「波形泥棒」っていい表現じゃないですか？
松：素敵だねー。
R：音楽をいろんな言い換え方で泥棒していくっていう。ちょっと完璧な曲です。
松：完璧ですね！
R：お聴きいただいたのはマボロシで『泥棒』でした。
＜書き起こしおわり＞
「ワルダクミ」収録 
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