2021年1月26日のCreepy Nutsのオールナイトニッポン0にて、Creepy Nutsのお二人がZORN『Life Story feat. ILL-BOSSTINO』について語りました。
R-指定:じゃあ、さっそくなんですけども、日本語ラップ紹介にちょっと行っていいですか?
先週、ちょっとかけられなかったっていうのもあって、ほんまは先週のタイミングでかけたかったんですけども。
俺たちが仙台でワンマンをやっている時にちょうど日本武道館では、この番組にも来てくださったZORNさんが武道館公演をしていまして。
DJ松永:そうだったねー!
R-指定:だから今日はなにも説明無しでまず聴いてほしいというか。
この曲の中にも、まんまそのフレーズが出てくるんですよ。
“武道館の翌日も俺は、、、”っていう。
そのフレーズとかもZORNさんの武道館が終わった今、聴いてもらえると噛み締めて聴けるかなと思うんですよ。
DJ松永:うーん。
しかもZORNさんが敬愛するILL-BOSSTINOさんとの共演という。
ZORN『Life Story feat. ILL-BOSSTINO』
R-指定:これ、フレーズも説明したいところがたくさんあるんですよ。
その“武道館の翌朝も俺は作業着”っていう。
これはもうホンマにZORNさんにしか出せへん言葉なんですよ。
DJ松永:実際にね、Twitterに武道館の翌日、作業着の写真を上げていたわ。
R-指定:すげえよな!
DJ松永:うん。
R-指定:しかも、ZORNさんはほんまに“真っ当に生きるのがカッコいいと信じる”っていう風にリリックでも言っているし。
“俺を俺たらしめるのは労働と知る”っていう風にも言っているんですよ。
だからほんまにこれがZORNさんのスタンスなんですよね。
DJ松永:なるほどね。
R-指定:こうやって生きていく中で生まれていくリリックがZORNさんのアイデンティティというか。
DJ松永:そうか、そうか。
R-指定:それに対してね、客演のILL-BOSSTINOさん。
もちろん超ヤバいフレーズがたくさんあるねんけども、フレーズのこと以上に経緯というか。
ZORNさんってめっちゃBOSSさんの影響を受けてるんすよ。
それこそ、ZONE THE DARKNESS時代なんかね。
DJ松永:そうだよね、たしかに。
R-指定:そっからZORNさんは昭和レコードに入ったタイミングで。
その前後あたり、入ったタイミングあたりで今のZORNさんが出来上がったって俺は思っているんですよね。
自分の身の回りの生活と自分の生きている視点のことを歌う。
それまではどっちかっていうと精神性のこととかを歌っていたり、今は結構そういう感じで。
DJ松永:うんうんうん。
R-指定:その生活感あふれる「人間ZORN」としての、ラッパーが今のZORNさんの完成形やと思うんやけど。
で、そのZORNさんのTHE ZORN印 みたいなラップが完成した頃の一番影響を受けていたであろうBOSSさんと一緒に曲をやるという。
DJ松永:あぁーいいねえ。
R-指定:そして、タイトルがこれ『Life Story』
DJ松永:そうなのよね!
ILL-BOSSTINOさん、THA BLUE HERBっていうグループですよ。
それでずっと、1stアルバムの『STILLING,STILL DREAMING』2ndの『Sell Our Soul』と出して、ものすごいアンダーグラウンドというか、アブストラクトな音。
でも、リリックはすごい精神性のことを言っているんだけど。
深くまで行きすぎていて、聴いている人からしたら1個神格化された、神みたいな存在になっていたんですよ。
でも、3rdアルバム『LIFE STORY』でBOSSさんが結構人間的なことを歌い出したんですよね。
歳を取った仲間の話とか、昔遊んでいた場所でそれこそ、俺が今日トークで語ったように昔の仲間が大人になって親になっていく姿とかを『LIFE STORY』というアルバムで歌ったんですよ。
この時はファンの間でも「神みたいなBOSSが好きだった」っていう人と「BOSSも人間だったんだ嬉しい!」っていう人が分かれたぐらい。
で、俺は結構それが嬉しかったんですよ。
「えっ、BOSSさんって人間なんや、こんな人間味のあるリリックを書くんや!」っていうのは。
本来、元から書いてはいたんやけども、よりそれが色濃く打ち出されたのが『LIFE STORY』なんですよ。
要は、BOSSさんの今のスタイルになる変換期でもあるんですよ『LIFE STORY』というアルバムは。
そのアルバムの名前を、奇しくも似たような進化をしたZORNさんがBOSSさんを呼んで曲名にするという。
このドラマチックなね。
DJ松永:あーあちぃ!!!
R-指定:あちぃんですよ!これはたまらないものがありますよね。
それで最後の掛け合いのところとかも結構お互いに。
で、ZORNさんからも、韻話とかをよく電話でしたりするんですけども。
ここの“俺の意見より嫁の機嫌”っていうのはZORNさんの中でも結構あたためていたラインでもあると。
やっぱりここぞの、尊敬するBOSSさんとの曲に最後の締めのフレーズでぶつけてきたっていうのが。
DJ松永:うーん。
R-指定:最後に一番生活感あふれるこのフレーズで締めるっていう。
これは『Life Story』素晴らしい曲やなって。
DJ松永:素晴らしい!!!
いやー、本当にいろいろと込み込みで生き様だな。
この曲に生き様が乗っかっているし、この曲を作る経緯というか、この曲を取り巻く全てのストーリーに生き様が反映されていて、込み込みで楽しめるHIPHOPって素晴らしい音楽ですね。
R-指定:最高ですよ!!!(笑)
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